カラン、と慣れない下駄を履いて小走りする
そう言ってくれる彼が好き
彼も浴衣を着ていた
慣れない姿を見て顔が熱くなる
彼はずるい
私が欲しい言葉を毎日言ってくれる
本当に私を照れさせるのが得意だ
ぎゅ、と手を繋いだ
彼の手は頑丈で私よりも大きい
さすが騎士、と思いながら手を握り返した
気遣いもできる彼
モテる理由が分かる
分かって言っているのだろうか
彼だって間接キスぐらい知ってるに決まってる
私はわたあめを口にした
口の中いっぱいに甘みが広がる
やっぱり、
間接キスって分かってるじゃん、
彼がわたあめを口にする
私が口を付けた場所に
分かっていても、
実際にすると恥ずかしくなる
このお祭りは花火が有名だ
歩いていると
ドーン、と花火が上がった
そう言われ、顔を見上げると
彼の横顔は花火に照らされていた











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。