第3話 慣れない朝の一コマ
~紫耀side~
遠くの方から微かに声が聞こえる
誰かが俺のことを呼んでて…
いきなりデカい声が聞こえてきたと思いビックリしながら目を開けたら何故か女の子が…
ってそうだ、昨日から同居することになったんだった
この幽霊のあなたちゃんと…
なんて嘘
俺は朝が滅法弱い
アラーム鳴らしても自分で消してまたそのまま寝ちまって寝過ごすことも多々ある
でもあれ?
今日ってまだアラーム…
まだ出会って間もない子に寝姿見られるとか…
てか俺もまだ慣れ親しんでない子の前でよく寝付けたな
まあ、疲れてたってことにしておこう
しかしあなたちゃんは何処で寝たのだろうか
そもそも幽霊って睡眠とか必要なのか?
ほら、って宙に浮いた状態で横になったところを見せてくれたけど…
うん、さすが幽霊だ
ワイヤーとかトリック無しでマジで浮いてる
毎朝寝起きでこれを見るのは恐ろしい気はするけど
死んじゃった身体
そう告げたあなたちゃんの顔が一瞬悲しそうに歪んだのを俺は見逃さなかった
せめて俺と一緒に居る間だけは…
どうかそんな顔はしないでくれ
あなたちゃんの目を真っ直ぐ見つめながらそう告げると、頬を緩め笑ってみせた
悲しいとか負の感情なんて抱かないようにしてあげる
この世に存在しないモンって言っても、ちゃんとこうして俺の目に映ってるし、気持ちもあるはずだ
まるでパァっと花が咲いたかのようなキレイな笑い顔
あなたちゃんは悲しい顔よりも笑った顔の方が断然似合う
と、俺は朝っぱらからそんな事を考えてみた














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。