式場の窓から射す午後の陽射しは、どこか車窓のようだった
座った列席者たちがざわめきを静めるころ、ドアの向こうに、あのネイビーブルーの背中が見えた
涼介のジャケットには斜めに走るグレーの縫い目
肩口から腰へ向けて流れるそのラインが、まるで西武バスの記念車両の背面デザインを思わせる
誰よりも静かに、誰よりも確かな歩調で、彼はバージンロードを進んだ
会場後方には「○○式場前」と書かれたウェルカムプレート
ベージュから深緑へとグラデーションするそのドレスの裾には、オレンジの細いラインが差し込まれている

※イメージこんな感じ
まるで路線図の終点を知らせるような、やさしい彩りだった
ふたりが並んだ瞬間、会場にほんの短い沈黙が訪れた
涼介がそっと侑姫の手を握る
侑姫はその手にやさしく応えるように微笑んだ
披露宴では、西武バス型のウェディングケーキが登場

※イメージこんな感じ
屋根には乗務員姿の涼介と侑姫のミニフィギュア
ケーキカットの瞬間、音響にあわせて発車アナウンスが流れる
祝福の拍手の中で、ふたりはそっとナイフを入れる
指輪交換のシーン
ピローはバスの座席型
ふたりは、エメラルドグリーン・肌色・オレンジのダイヤが輝くバス型飾りの指輪を交換する

※イメージこんな感じ
会場の誰もが涙とともに笑い、拍手でふたりの旅立ちを見送った
最後にゲストへ手渡されたのは「未来ゆき乗車記念証」
裏にはこう書かれていた
涼介 & 侑姫 連名:「この路線に終点はありません。次の停留所も、ふたりで決めてください。」
ふたりはゲストの拍手に包まれながら、ゆっくりと歩き出す
そして——ふたりの運行は“つづく”














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。