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第45話

失恋
422
2024/04/12 01:53


及川徹
国見ちゃん、
国見英
はい(?)


部活終わりに国見ちゃんに声をかけた

国見英
あ、肉まん奢ってくれるんすか、
国見英
ありがとうございます(棒)
及川徹
ちょっとッ!!?
国見英
金田一、及川さんが肉まん
奢ってくれるって
金田一勇太
まじすか!!あざす!!
岩泉一
じゃあ俺ピザまん
花巻貴大
あんまん
松川一静
じゃあ俺もあんまん
及川徹
もうみんなは俺を
なんだと思ってるのさ!!
3年)サイフ
及川徹
え、泣くよ??



そんな会話をしながら学校の敷地から出る


肉まんを買ってから解散ということになったが
国見ちゃんは俺の横から離れない

国見英
話ってあなたのことですか、
及川徹
お、わかってて残ってた?
国見英
……貴方は俺をなんだと
思ってるんですか

そう言いながら国見ちゃんは肉まんを人かじりする

及川徹
……昨日何があったの
国見英
………
国見英
特に何も_____
及川徹
嘘はつかないで欲しいんだけど
国見英
……はぁ
国見英
あんた好きな人のこととなったら
怖いっすね
及川徹
えッ、なんで好きな人って
国見英
見てれば分かりますよ、バレバレ
国見英
……昨日” 影山 ”に会ったんですよ、
及川徹
!!?





九條あなた
「 ちょッ、国見!!? 」
九條あなた
「 いきなり何、腕引っ張ってきて 」
国見英
「 影山がこっち振り返ったから
助けたくなかったけど仕方なく
助けたんですー、 」
九條あなた
「 別にそんなことしなくたって、! 」
国見英
「 だったらなんで
立ち止まってんだよ、 」
九條あなた
「 ッ、!! 」
国見英
「 自分は別れられて良かった
とでも思ってんのか? 」
国見英
「 影山だけが未練タラタラだと
思ってんのか? 」
国見英
「 自分だって
未練タラタラだろッ!!」
九條あなた
「 っんなことッ、 」
九條あなた
「 国見が何でわかるんだよッ!! 」
九條あなた
「 そうとは限らないだろッ、
別に未練タラタラなわけ
じゃないしッ!!」
九條あなた
「 根拠はどこにッ_______ 」
国見英
「 根拠はお前がガラケーを使ってる
とこだよ、 」
国見英
「 スマホ使わないで残しやがって 」
国見英
「 連絡先も残したまんまで 」
国見英
「 写真も何もかも綺麗に 」
国見英
「 どう考えてもお前の方がッ_____ 」

その言葉を遮るように頬がぶたれた
横に向けられた首を正面に戻し
あなたの顔を見た

その時の顔は哀しそうな複雑な顔をしていた

国見英
「 ( お前がなんで
  そんな顔するんだよッ、 ) 」
「 大丈夫っスか 」


坂の下商店から誰がが外に来て覗いてきた


影山飛雄
ッて、あなたに国見……
国見英
最悪……、
九條あなた
「 それじゃ、国見、またあした 」
影山飛雄
「 ちょッ、あなた! 」

あなたはその場から逃げるように立ち去った
影山はその場に立ちどまり俺の方を見てきた


国見英
「 お前が思ってるような関係じゃない 」

俺はそうとだけ残しその場から立ち去った










及川徹
なんか大変そうだね、
国見英
貴方は随分他人事のように
考えますね、
及川徹
だって他人に起きたことだし
国見英
イラッ

そう言いながら及川さんはガードレールから降りた

及川徹
……でもそっかァ……



九條あなた
「 詰まってるんで、 」



及川徹
…そういうことだったのか、…
国見英
及川徹
ま、ありがとう、国見ちゃん
及川徹
じゃあまたあした
国見英
あ、はい


国見ちゃんと別れたあと 小さくため息をついた


最初から俺に勝ち目なんてなかった
そんなことわかってたはずだ わかってたはずなのに

及川徹
ッぁ、…

涙が止まらない 悔しい 勝てない
知ってた 分かってた でもまだ勝ち目はあると
思ってた 

その僅かな可能性すらあの話で消えた



……ほんとに神様は残酷だ



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