ドアの前でアベルさんと邂逅して
中に入ろうとドアノブに手をかけた時
目の前が何かに覆われて真っ暗になった
微かにだけど
みんなのわちゃわちゃした声が聞こえて
その直後、
誰かに手を引かれて前に進む
ぱっ、と視界を遮るものがなくなって
急に眩しくなった視界に思わず目を瞑ると
ぱぁん、と軽快な音が響いた
さっきの音の正体であるクラッカーを持った
レモンちゃんにフィンくん
そしてパーティー用の帽子やサングラスをかけた
マッシュくん、ランスくん
そしてその二人は
大きなシュークリームが乗ったお皿を持っていた
ふぅ、と額の汗を拭うマッシュくん
みんなに促されるまま席に着いて
レモンちゃんが取り分けてくれた料理を受け取る
今まで
両親の死へのカウントダウンにしか感じられなかった私の憂鬱な誕生日が
少しだけ、楽しい思い出に変わった気がした













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!