第55話

ごじゅうよん
27,892
2019/09/09 10:13
さとみ
ちょっとあなた!待て!!
あなた
嫌だばーーーか!!!


























てか、さとみくん足早っ?!?!


追いつかれそう、やばい!!!


































さとみ
待てって…言ってんだろ!!!
あなた
ぎゃっ!!!



































そんなさとみくんの声と共に


私の腕がさとみくんに捕まる。


その腕を引っ張られたと思ったら


すぐに彼の腕の中。






































あなた
ちょっと待ってさとみくん何やってんの?!
さとみ
待たないお前が悪いんだよ。で、さっきの言葉、どういう意味??

















































耳元で呟かれ、うっ…と唸る。


さとみくんはずるい。いつだって。


私の上をいってしまう。


待ってといっても、必死に走っても。


彼に追いつくことはないのだ。


それが悔しくて、いつも反抗してしまうけれど


今日…今だけ。




















































あなた
…はーぁ
さとみ
っと…。











































強ばっていた体から力を抜いて


私を抱きしめるさとみくんに体を預けてみた。


いきなりのことで驚いたのか


さとみくんが目を丸くする。













































私だって驚きだよ。


まず、こうしようと思ったこと


褒めて欲しいね。


…と、そんなことは置いといて。


















































あなた
…ねえ、聞きたいことあんだけど
さとみ
…なに
あなた
私が刺されて、三途の川ら辺をうろうろしてた時、何か話しかけた?
















































あの時聞こえたさとみくんの声。


夢にしては妙に現実的で


おかしいぐらいに響いてきて。


そして、あの言葉が


本当なのか、そうじゃないのか。


もし夢だけの話で、私の妄想の話なら


恥ずかしいけど。


あの声に救われたのは事実で、


あれがさとみくんの声だったのも事実だ。


そして、私が愛していると伝えたかったのも


また、紛れもない事実だから。













































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