第7話

7.USJの残り香
174
2026/02/21 07:31 更新


ピッ…ピッ…

静寂な部屋に冷たい電子音が響く。




『…相澤先生。』







保健室で災害救助演習が終わるのを待っていたとき、緑谷くんと痩せほそった長身の男性が入ってきた。

ものすごく、ボロボロな姿で。


私のせいだ…

『ぁ、すみません。もう体調も良くなったので、そろそろ教室に戻ります。リカバリーガール、ありがとうございました。』


椅子から立ち上がり、緑谷くんたちがいる扉の方へと歩みを進める。





『緑谷く、…』

「あなたの名字さん、!授業中いないなと思ったら、保健室だったんだね!体調は大丈夫…?」


『私なんかより緑谷くんの方がボロボロだよ、
何があったの?』





私は彼から事件のあらましを聞いた。

相澤先生のことも…。







相澤先生のお見舞いにでも行きたいな、と何だかヒーローらしい考えを持っていた放課後の廊下。

みんなに、ヒーローに、感化された…のかな。ヒーローそっち側になんて行けるはずないのに。






───「おや、もしかしてあなたの名字あなたの下の名前さんかな、?」

「私は塚内直正、USJの一件を調査している警官だよ」



校内を捜索し終わったところなんだよ、と。

「今回の事件は意図的にA組を襲ったと私は見ている。君は体調不良で保健室に居たそうだが、何が奇妙な点はなかったかい?」


『特に…何もありませんでした。』


そうか、それは良かった と塚内さんは頬を緩ませた。




西日が射し込む廊下に沈黙が流れ、「では失礼する」と塚内さんが言ったとき、


咄嗟に、口が開いた。



、あの!相澤先生ってどこの病院かご存知ですか…?』




────────────────




『…相澤先生。』


その後、塚内さんは相澤先生の入院する病院を教えてくれた。せめて、この事件の最後を見届けなければならない、と私は重い脚を病院に向かわせる。




……ひどい怪我だ。





  「…目に後遺症が残るかもしれない。」


塚内さんの言っていた言葉がフラッシュバックする。


私が招いたことだ、目を背けるな。





一定のペースで鳴る機械音に合わせて、様々な情景がふつふつと浮き上がった。 そういえば……、


あのとき…緑谷くんが保健室に来たとき、
一緒にいた男性は誰だ、?あんな人雄英に居るなんて聞いたことがない。















────────────オールマイト。



私は心の中で一つの結論を導き出した。
なんたって、"核"が同じだったからだ。






✧─────【個性】核変換

原子構造を組み換えることが出来る。化学反応を起こすこともできる。
それが出来るのは身体能力として、物質の構造まで読み取れる"眼"の良さに帰着する。

母の眼と父の個性が混ざり合い、新たな個性因子となって誕生した突然変異型の個性である。






あなたの名字あなたの下の名前は、オールマイトの細胞の中にある"核"、そしてさらに細かいDNAまでも把握していた。

プリ小説オーディオドラマ