USJ事件の翌日、雄英は臨時休校となった。
きっと、みんなは暖かい家でゆっくりしているのだろうか…、
わたしは、
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『核変換』
…目の前に居たはずの人間が、
さっきまで心臓が動いていたはずの人間が、
私の手によって抹消される。
亡骸など、どこにもない。[核変換]はそう言う個性だ。
人間は約37兆個の細胞を所持している。
そして、その一つ一つに"核"が存在する。核には染色体・DNA・遺伝子が入っており、その人をカタチ創る"情報"が書かれている。
それを書き換えてしまえば、
消してしまえば、
その人間は抹消するのだ。
──────────────ヴィラン向きの個性。
『裏切り者は抹消しました、先生。』
「やはり君は素晴らしいヴィランだ。」
笑みを貼り付けたAFOの顔が脳裏に浮かぶ。
「ヒクイ、君に紹介したい人がいるんだ。」
「まだ君の姿は明かしたくなくてね、そのまま電話を繋げてくれるかい?」
『はい』という選択肢しか残されない中、喉を絞って出したような…苦しそうな低い声色が聞こえた。
「なに…?先生」
『弔、君に良い仲間がいるんだ。ヒクイと言ってね…きっと、弔を助けてくれるよ』
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翌日
「あなたの名字さん、本日のホームルームは誰が行うのでしょう…?」
八百万さんは、後ろの席のわたしに尋ねてきた。
『んー、相澤先生は怪我で入院中だから…』
ガラガラ、と扉の開く音がすると
「…おはよう」
包帯でぐるぐる巻きの相澤先生が入ってきた。
「ご無事だったのですね!!!」
と委員長の飯田くんが立ち上がる。
「ああ。そういえばあなたの名字、見舞いありがとう」
…え、なんで知ってるんだ。
「あなたの名字さん、お見舞いに行きましたの?」
「えー!俺も行きたかったぜー!」
と、八百万さん、上鳴くんを始め羨む声があがる。
「まぁ、俺の怪我のことはどうでもいい…」
まだ、戦いは終わっていない。と相澤先生が話すとクラスに静けさが走った。
「雄英体育祭が迫ってる。」
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「1年ステージ、生徒の入場だァー!!」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。