「いや、エイプリルフール昨日ですよ?」
「は?」
「嘘はやめてください」
「嘘じゃない、本当だ」
え…
「え!?」
私は帰ることを選んだ。
「サキ、またね…」
「サキちゃん、ありがとぉ…」
送別会では、仲の良かったメイド達と話をした。
王からも
「サキ、短い間だったが、ご苦労さんだった。オリもあれをきっかけに少しずつ心をひらいている。本当にありがとう」
と言われた。
渡された本を開くと、光に囲われ、気がつくと元の世界へ戻っていた。
なんだか寂しくなり、ポケットへ手を入れて、あっと驚いた。何か硬いものが入っている。出してみると、ペリドットだった。王からもらったものだ。
ふと思い直した。あれだけ帰りたがった場所だ。私は私の幸せを見つけよう。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。