第17話

「アイツ」の正体
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2021/12/25 09:00 更新
「アルカナ:フォーチュン」。
バスケットボール大の卵形の水晶の中に、野球ボール大の黒水晶が包まれている貴重な宝。


それが展示されていたのは、2階の展示室で1番広い部屋だった。
そこには既に、我々怪盗団のメンバーが全員集合していた。
それから…
陽毬
兄さん…
らっだぁ
陽毬!
思わず目を逸らしてしまったが、どうやら兄さんは無事みたいだ。
トントン
…アンタらがPKST団なんやな
ぺいんと
ああ。俺はぺいんと
トントン
トントンや
クロノア
ぺいんと、本題に入ろう
ぺいんとさんは頷き、話し始めた。
………………………………………………………………
ぺいんと
俺達がこの博物館に予告状を出したのは、「決着を着けるため」なんだ
トントン
決着?
ぺいんと
俺達が何度か刑務所を脱走してるのは、知ってるよな?
皆は頷いた。
ぺいんと
俺達は刑務所にいる時…いや、その前から「アイツ」に出会った
シャオロン
「アイツ」って?
道化師だよ、とぺいんとさんは言った。
ぺいんと
アイツは刑務所の看守や一国の領主に化けて、俺達を殺そうとしてきた
ぺいんと
何度もしつこくね
奈緒
何か恨みでも買ったのか?
ぺいんと
多分ね。でも、最大の理由は「口封じ」だと思う
ぺいんと
俺達はアイツが領主に成りすましているのを知ってしまった。だからかな
そこでぺいんとさんは、私の方を見た。
ぺいんと
陽毬ちゃんがさっき遭遇した男が、その道化師だよ
私は、あの人がナイフを振り上げている所を思い出した。
奈緒が助けてくれなかったら、あのまま…。
トントン
じゃあ、予告状を出したのは…
ぺいんと
道化師を誘き寄せるため。俺達が動けば、アイツは必ず食い付いてくると思ったから
ぺいんと
ここはトラゾーの博物館だし、他の人を巻き込まなくて済むと思ったから…
そう言いながら、ぺいんとさんは微かに目を伏せた。
ぺいんとさんだけじゃない。
PKST団の人達が全員、薄っすらと辛そうな表情をしている。
…この人達に、何があったんだろう。
シャオロン
…ってことは
突然、シャオロンさんが口を開いた。
シャオロン
あのお宝が狙いってわけじゃないんやな?
ぺいんと
そうなるかな…?
その言葉に、シャオロンさんが満面の笑みを浮かべる。
シャオロン
じゃあアレ、俺らが悪戯してもいいんやな⁈
トントン
シャオロン⁉︎
トラゾー
ちょっと待て!アレはとんでもなく貴重なもので…‼︎
シャオロン
水性のペンキやから大丈夫やって!なぁ?
ゾム
おん、構へんやろ!
コネシマ
油性やないもんな!
トラゾー
ペンキ⁈お前ら何する気だ⁈
ショッピ
せっかくやし、陽毬さんに絵描いてもらったらええんとちゃいます?
陽毬
え⁉︎
エーミール
ああ、好きって言ってましたもんね
鬱先生
それなら陽毬ちゃん、僕の絵を…
シャオロン
やかましい!
騒ぐ我々怪盗団のメンバー。
奈緒
諦めろ、ビニール袋さん。ウチの怪盗団はああいう人らだ
トラゾー
ビニール袋さんじゃない…
トラゾーさんが肩を落とし、ぺいんとさん達は苦笑いしていた。
















???
おやおや、こんな所に居たのか…PKST団

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