ポケットからスマホを取りだし、近くにある大きな病院を探す。
私は走ってそれらの病院を回り、受付で彼の名前を尋ねたが、どこにも彼はいなかった。
途方に暮れて、ホームに帰っていると、夜行バスの乗車券を拾った。
もしかして……とも思うが、さすがに夜行バスに乗る勇気はない。
私はホームに戻って倉本さんに声をかける。
私は深く頭を下げる。
私は何度も頭を下げてお願いした。
倉本さんから病院名を聞くと、私は財布を手に取り、もう一度ホームを出る。
そして、夜行バスに乗り、隣県にあるその病院へ向かった。
* * *
朝になると、その病院に近い駅に止まっていた。
私はそこで降りて、病院まで走った。
大和の病室を聞くと、私は階段を駆け上がって病室の階まで来た。
しかし、その時にはもう遅かった。
たくさんの医療従事者が動き回り、普通ならば規則的になるあの機械音も、高いおといろを響かせている。
やがて、そう時間の経たぬうちにその機械音は消えた。
医者の低い声と、父親らしき人物の泣きじゃくる声しか聞こえない。
もう……大和には会えないんだ。
私は彼の父親のそばで動かずに横たわっている大和を目に焼き付けて、病院を出た。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。