あぁ、降ってきやがった
天気予報で雨予報とは報じていたものの、朝は忙し過ぎて傘を持って来るのをすっかり忘れていた
俺は藤崎祐斗
今年入社したばかりの新社員だ
やっと仕事にも慣れてきたってのに、こういう所はついてないんだよな
幸い、今いる場所から自宅までは徒歩5分程度
走ればそんなに濡れないだろう
ダッ
思ったより酷い横殴りの雨
どんどん俺のワイシャツに染みて体温を奪っていく
早く帰らなきゃ
そう思っていたんだ
なのに、俺はそこで足を止めてしまった
電柱の傍に、紅い目をした不思議な子が立ち尽くしていた
目と目が会う
吸い込まれそうな紅色の瞳に、時間も忘れて見惚れてしまう
そして気付けば、その子の手を引いて俺は走っていた
これが、俺と神様の出会い
運命を狂わせた、2人のお話
To Be Continued...
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。