【 あなた side 】
あれから、石神村にいること数ヶ月.
千空の手伝いにも積極的に行いつつ、
龍水やフランソワとの接触を避けて
生活をしていた.
だが、最近悩みの影響で頭を抱える
ことが多くなってきたと実感する.
やはり、恐れているのだろう.
“ 自分が七海財閥の人間 “だと
他の人間に知られることに.
また、悩み事は他にも多々あった.
秋風がふわりと、私を包み込む.
草が生い茂る大地に、寝転がり
どこまでも果てしない空を見上げる.
先ほどの分厚い雲が透け
青色模様の空が現れた.
目を瞑り、草が頬をくすぐる.
彼は私の横に、ゴロンと寝転がった.
彼の特徴的な触覚がサラサラと揺れるのが見える.
今日はいつもよりも風が吹く日のようだ.
この沈黙を最初に破ったのは
メンタリストの彼、ゲンだった.
彼は私に、優しく包み込むように問いかけを投げた.
まさか、こんなにすぐ気づかれるだなんて.
メンタリストとはこんなにも鋭いものなのか.
私の心は葛藤状態だった.
悩みの種のことを話してみようか、それとも否か.
そう考えていた矢先______.
私が驚いた顔で、横にいる彼の顔を見ると
彼は、「図星だね、ジーマーで ♪ 」と述べた.
バレてしまった以上仕方ないと思い、
私は彼に数ヶ月間の悩みの種であった
科学王国に広まっている医師の噂について
悩みを打ち明け始めた.
七海財閥の件については、” 当たり前 “だが
黙秘することにした.
「こういうのは慣れている」
と言おうとした途端、彼は急に
起き上がり、私の顔を真剣に見つめて言った.
一瞬、彼の言うことがわからなかった.
自分でも気づいていないモノ.ソレがなにか.
だが、自分が彼の言葉に
若干反抗的になった時、ようやく気づく事ができた.
その時の彼の目つきは、恐ろしいほどに
鋭かった.まるで、圧倒させてその悩みを
聞き出そうとしているような目つきだ.
でも、私は” 七海財閥の件 “を
“ 絶対 “に教えるつもりはない.
そう、心に今まで止めてきていたのだ.
後戻りは、出来ない.













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!