誰もいない部屋にこう声をかける
時計を見ると,針は「0:30」を指していた。
うちわやらペンライトやら色々なグッズが入った
カバンを置こうとしたその時…
私の手に握られていたのは紙。
開いてみると,丁寧な字で
「あなたちゃんへ
君とは仲良くなれそうだから,
カトクのID教えとくね!
ID:〇〇△□kimtehyong
連絡待ってます!」
って書かれている。
カトクのIDからして,
この手紙を書いたのはテテさんだろう。
日本語上手だな~って,日本人の私も感心しちゃう。
私はスマホに電源を入れた。
居間の時間は0:35。
周りは真っ暗だから,スマホの光がすごく強く感じた。
次に渡された紙に目を通す。
ここで大事な事に気づく。
普段なら,
「設定とか難しそうだし後でやろ…」
とか思っちゃう私は面倒くさがり屋。
でも,今は違う。
私は迷うことなく「インストール」を選択し
電話番号や名前を登録していく。
設定がおわると,
もう一度渡された手紙に目を通す。
IDを間違わないよう,気をつけて入力。
検索結果に表示されたのは
김 태형 って名前の人。
アイコンは設定してないから,
やっぱりばれたくないのかな?とか
一人で妄想してにやけてる。
さっそくなんか送ってみよ…
うわー,ついに送っちゃった~
って思って上を向く。
次に下を向いたときには
そして秒で帰ってくる返信。
ピヨピヨ ピヨピヨ
目を開けると,周りはすでに明るくなっていた
そうだ,昨日あのまま寝ちゃったんだ。
時刻は…
遅刻だぁ~…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。