この世界には一定の物はそうであると決められているものである。
例えば、推しが尊いこととか、日曜にちびまる〇ちゃんがあることとか、
もっと身近で例えるならば、重力があること。日本とサウジアラビアでは時差があること·····
ましてやこの物語にも絶対的。定められたものがある。
それは分かっているつもりだ。
だが、
改めてそれを実感することになる。
『あの野郎のせいだっ!』とは言える訳もなく。
なんとも世知辛い。
まぁ、この人なら良い理解者ともってくれそうだが、、、
結末が変わってしまっては困る。と本能的に感じていた。
言われてみれば確かにそうだな·····。
ジャミル先輩·····いや、ジャミル様?も同じ"従者"という立場だ。
だが、あのメイドさんもこの人もみんな様呼びだった。
2人の顔が曇っていることも、今の空気がとてもぎこちないことも承知だが。
本題を早く進めたい私はKYのごとくその空気を断ち切ることにした。
ジャミル様と話していたあの人·····いや
Zさんとでもよぼう。
Zさんは呆気にとらわれていた。そのくらい今の自分はKYきまわりなかったったのだろう。
もっと遠回しの言い方が良かったか·····?
Zさんなかなかノリがいいでは無いか。
ジャミル様の顔が困惑していた。
様"づけで呼ばれていてもやはりまだ幼さなく。思考は混乱しているように見える。
だが、この自分の考察をこの後のジャミル様の発言で明確になる。
この時、私たちは単なる伝え間違えだと思っていた。
いや、そう考える他何も無かった。
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宴は盛大に盛りあがっていた。
最後のしめで、ケーキをだすようだった。
みんな、当主様も、カリム様も、
みんな"浮かれあがっていた。"いや、言い方が違ったな·····。
宴を楽しんでいた。
だが、
この先の物語を知っているあなただけは気をゆるめることはなかった。
他、ジャミル様もだろう。
あの性格上。あまり浮かれるという印象はないから·····。
唐突のあいつからの呼びかけ·····?問いかけか?
それは本当に、
キモかった·····。
これが『思春期の女子がお父さんをゴミ扱いする』というものかと。また、新しいことを覚えた。
覚えたくもなかったが·····。
一方的会話」」」
というものか、と瞬時に理解することが出来た。
にしても、馬鹿にされすぎて·····
なんともよく分からない原理だなとおもう。
水にぬ、ら、す、?
太陽光に開けるとかそういうものだったらまだ、
まだ、納得できた。
だが、あいつの魔法道具だし·····と納得してしまう自分もいた。
今すぐこのペンダントを壊したい気持ちもあったが
現状が現状なので、冷静な判断を下した。
それにしても、この場所は水が貴重ではなかったか·····?
その点も踏まえると
あいつ、
本当に頭がいかれている。
ガラガラガラ))
当主の言葉をみはらかったかのように、ケーキがご登場する。
私のよく見なれているカリム先輩のちょっと男前になったバージョンにしか見えない·····。
が、立場上それは思っても言ってはいけない。
言ったらどうなるか·····
考えたくもない。
いや、思ってもダメなのかな。
この時、ほんの少し、、とても少し·····だけ、
あのケーキに"違和感"を覚えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。