長尾side
最近みっちーとは何もない平凡な日常を送っている。
正直、何か起こってくれないかな、なんて思いながら。
何か、っていうのはいいことでも悪いことでもいい。
悪いこと、とは言っても結局何もなかったね、とか言っていつかは笑い話にできるようなこと。
もちろん仕事も恋もとっても楽しいから、このままでも十分すぎるくらい楽しい。
それなのに、何か物足りない、みっちーと何か更に仲良くできるキッカケができないかなんて思っている自分がいる。
そこで俺は、ある人に相談をした。
謙「大吾くん!」
大「あれ、どした謙杜?」
謙「実は…」
俺は思っていることを大吾くんに話した。なんてったって大吾くんは、誰よりも大人で、流星くんのことをとても愛してるから。大吾くんに聞けば、何かいい案を出してくれると思ったのだ。
大「あぁ〜!ええやんええやん!」
大吾くんはあっさり俺の企みに乗ってくれた。
大「俺もそんなことあったわ笑 十分楽しいはずやのにもっと楽しいことを求めてたときあったもん。笑」
意外と誰でもあることなんかな?なんだかほっとする。
謙「それで、何かいい方法ないかなって思って」
大「平和に終われることがええんやろ?」
謙「もちろんっ!」
しばらく考え込んだ大吾くんが口を開く。
大「ちょっとアホっぽいけど」
大「家に不審者が来るとか。それで謙杜がみっちーをかばって…。はい!ハッピーエンドっ!」
予想外の方向に持ってきた大吾くん。
謙「えっ、おもしろそうっ!」
とても良い案やと思った。俺の考えてることにピッタリやったから!
大「俺が不審者の役してあんたらの家に侵入してくってことでええ?」
謙「わっ!楽しそう!」
大「言い方変えれば、みっちーへのドッキリかな!?」
大「いつがいいとかある?」
謙「大吾くんがいいなら明日の夜で!」
大「明日の夜なら暇やから行けるわ!鍵開けて準備しててな?」
謙「はーいっ!」
そんなこんなで、俺らの計画は始まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!