青 side
俺がこのシェアハウスに来てから2週間。
大分5人と馴染み、今ではタメ口で話している。
ないこがいつものように飛びついてきた。
しょうは今では2回ほど成長痛が来れば身長と並ぶくらいの翼の大きさになってしまった。
ぴょんぴょんと飛び跳ねてはしゃぐしょうを見ると自然と笑みが溢れる。
りうらは目をキラキラさせて美味しそうにサンドイッチを頬張った。
ないこはまだ7:00だと言うのに元気よく階段を駆け上がって行った。
ないこはと言うと、両手とも指先が消えかかっている位。
まだまだ純粋で無邪気やなぁ…
可愛らしいしょうの様子を見て、りうらは首を傾げた。
ちょっと残念そうにサンドイッチをまたぱくりと食べる。
ガチャッ
ないこがほとけを背負ってドアを開けた。
ほとけは両方の指先が殆ど機能しない。
ほとけはりうらと同じテーブルの席に着くなりほぼ寝ている。
ないこがそう言って俺に視線を合わせた。
俺とないこはスニーカーを履いて家を出た。
今は春。
桜が綺麗に咲いており、丁度満開だった。
俺達の家は住宅街と離れていて、山の麓にある。
買い物は医者がしてくれる。
パシャッ
2人で笑い合いながら、桜並木の下を歩く。
すると、突然少し強めの風が吹いてきた。
ヒューッ
カシャッ
あの日、母さんと見た桜…
あかんわ…泣いてまう…
ギュッ
優しい母の名前も
さくら
”咲楽”だったよな…



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。