まどか…Dom
誠一…Switch
健三…Switch
CP:誠健、健誠、まど誠、まど健
色々CP混ぜちゃった…左右固定派の方ごめんなさい🙇♀️
地雷さんは回れ右推奨です!
第13話『(続)Subになった瑠衣の話。(瑠衣Side)』の裏設定です。
誠一くんと健三さんが瑠衣くんの相談に乗れたのは、彼らがDomとSubどちらの気持ちも理解しているから…とか言ってみたり。良ければ読んでみてね☆
健三side
テーブルの上を見て、思わずため息をつく。
そろそろまどかさんが起きる時間かと思い、今日は早めに紅茶を用意したというのに…まさか。
予想通り。
悪びれもなくさらりと告げられた謝罪に、頭より先に口が動く。
少しずつ変わる誠一くんのオーラに、いつもなら気が付いたかもしれない。けれど
口走った言葉は、もう戻せない。
自分の名を呼ばれて初めて、その目に気が付くなんて。
いつの間にか、目の前の誠一くんは記録者ではない…Domとしての誠一くんになっていた。
教えるものですか。
そう言いたいはずなのに、思い通りにはいかなくて。
あぁもう、最悪だ。横目で誠一くんを見ると、これ以上ないほどに嫌な笑みを浮かべているのが分かる。
いつも減らず口を叩く自分への仕返しなのだろうか。
誠一くんはDomになると、いつもこうだ。
少しずつ、ふわふわとした感覚が強くなる。他人に素直に甘えることが苦手な分、この感覚に陥ると、少し歯止めが効かなくなってしまう。
座るよう促されたソファの上で、撫でてくる誠一くんの手に自分から頭を擦り寄せてしまうくらいには。
男らしいごつごつした大きな手が、少し雑に撫でてくる。
やられっぱなしは嫌だった。
事実、頭の中はふわふわしている。…が、これ以上誠一くんに調子に乗られるのは、些か頭にくる。
自分で発したその言葉に、頭の中が瞬時に研ぎ澄まされた…そんな気がした。
誠一side
さっきまで大人しく頭を撫でられていた健三の言葉を、瞬時に理解することはできなかった。
ただ、理解するよりも先に、身体の力が抜けたのは分かった。
ふわふわとした頭のまま、健三の肩に寄りかかる。気持ち良さそうだったから…ただ本当に、それだけの理由で。
Domの健三は、いつもみたいな意地の悪いことは言ってこない。従わせるというより、甘やかしてくるタイプなんだろうか。なんでもないことでもふわりと褒めてくるその言葉が…なんだか擽ったい。
何かをしてほしいとは思ってない。けど、なんか甘えたくなってしまっている。それが気恥ずかしくてなんとなく、健三の胸にぐりぐりと頭を擦り付ける。
こうなったら、オレは健三の声には逆らえない。押し付けていた顔を上げ、ゆっくりと健三を見上げる。
健三の声が脳に響く。
これは、本能だから仕方ない…別に、いつもはこんなこと、思わない。そう、今はSubだから、言ってやってるだけだ。
けど、こう言ったら甘やかしてくれる…それが健三だということも、オレは知っている。
いつもの健三からは考えられないくらい、優しく頭を撫でてくる。
別に言葉のアヤ?とか気にしないでいいのに。ありがとう、で十分やのに。
ぼんやりとした頭で立ち上がると、健三が腕を広げているのが見えた。
オレよりも低い身長。けど、オレよりも落ち着いた声色。白髪からほんのりと香る健三の匂いに、なんだか気持ちがほっとする。
まどかside
ふわ、と1つ欠伸をして、部屋を出る。紅茶の匂いはすれど、そこに健三はいないし紅茶もない。飲み終えたのだろうか。
2人の名を呼ぼうとした時、奥から当人たちの声が聞こえた。
「恵美に余計な労力をかけるわけにはいかへんって!」
「そうですよ、まどかさんのお手を煩わせる訳にはいきません。」
そう言って、2人が僕にCommandをせがんでくることは全くと言って良い程ない。気を遣ってくれていることは分かっている。けど、別にそれくらい頼ってくれても良いじゃないか。それにーーー
2人には聞こえない声で呟く。
…と、そんなことを考えていた…気がする。気が付いたら、ぼんやりとしている誠一、上手く切り替えられずに僕の名前を呼ぶ健三が目の前にいた。
……2人とも、良い顔するじゃん。
健三もDomから切り替えられたようで、2人の目が少しずつ蕩けたものになる。
へたり、と床に座り込む2人に、愛しさを覚える。あぁ、可愛い僕の記録者。
柔らかく2人の頭を撫でる。褒めてやるだけでこんなに嬉しそうな表情をするなんて、可愛らしいにも程がある。
甘い声で聞いてやると、2人はゆっくりと口を開く。
いつも、それくらい仲良くしてくれていたら良いのに。僕の前では見せない、まるで2人だけの秘密のような関係は…何か、気に入らないな。
とろんとしている2人の瞳が、ぴくりと揺れ、真っ直ぐと僕を捉えたのが分かる。
へたりこんでいる誠一と目線を合わせるため、軽く屈んでやる。すると彼はおずおずとこちらに寄ってきて、啄むようなキスをした。
ぺろ、と僕の唇を舐めてきたと思ったら、せがむような目を向けられる。
控えめにも、くちゅりと音を鳴らしながら、懸命に僕の口に舌を入れる誠一を見やる。
うん、可愛い。頑張ってるね。
……まぁ、足りないけども。
そう思い、ぬるりと舌を入れてやる。
先程までとは比べ物にならないくらい深いキスで、誠一を溶かしてやる。と、息が上手くできないのか、誠一は弱々しく僕の胸を叩き始めた。
そう、この顔。
世話焼きタイプな誠一には、理性を持ってってやるくらいに責めるのが1番効くのだ。いつもお世話する側だったはずなのに、こういう時だけはどうも敵わない…なんて、良いと思わない?
焦れったそうに、先程よりも艶やかな瞳でこちらを見る健三。その目線にあたかも今気がついたかのように、しかしどこかニヤけた顔で話しかける。
そう、健三はこちらが優位に立ってる時、自分からものが言えなくなる。いつもあれだけグイグイ来るのに、受け取る側になると弱いんだから…本当に、可愛らしい。
素直に言えたら、お望み通りにしてあげるから。全力で、可愛がってあげるから。
健三の口の中も、優しく深く犯してあげる。
漏れ出る声がまた可愛らしい。あれだけまどかさんまどかさん、と来る割に、こういう立場になっただけで余裕が消え、いっぱいいっぱいになる。うっすらと涙を浮かべて懸命に息をする彼に、ごくりと喉を鳴らす。
うん、良い子。…だから、
夜はここからだ。
僕はDomなんだ。2人には記録者として、名探偵のサポートをして貰わないと。……僕のこの欲求を、満たして貰わないと。
まずは2人が仲良くできるまで、ずうっとお仕置だから…ね?♡
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。