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第1話

1話
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2025/08/14 14:29 更新





今日は彼と付き合って2年が経った記念日だ


私は彼との思い出のケーキを片手に家に向かった










あなた
ただいま


あなた

返事がない


時計の針は11時をさしている

あなた
(もう帰ってきてる時間なんだけどな)


最近忙しいと言っていたし


仕事中なのだろうか





サプライズで家に来たことを少し後悔していると


あなた
…!?



背中になにか押し付けられる感覚がした


気持ち悪い汗が背中をゆっくり落ちていく




おかえり…あなたの偽名



この声は


私はゆっくりと腰にある銃に手を伸ばし勢いよく振り返った




あなた
なんのつもり…?


その瞬間目の前にいるのは、他の誰でもない


あなた
イフリートくん


君だった


イフリート
それはこっちのセリフだよ


イフリートくんは顔を歪めながら銃口を私の心臓に向けた


イフリート
…君、スパイなんだろ?
あなた
スパイ?…なんのこと?
イフリート
ぼけないでくれるかな
イフリート
こっちは情報を得てるんだ…
あなた
…イフリートくんは、恋人である私をそんな情報1つで疑うの?
イフリート
僕も疑いたくなかったよ
イフリート
けど残念ながら…君がスパイだということは確かなんだ
あなた
…イフリートくん



思わず銃を握っている手に力が入る


イフリート
君を撃ちたくはない
イフリート
だから今すぐ銃をこっちに渡して



目が笑っていない乾いた笑みでこちらを見つめている彼に

これ以上言い訳は通用しないと嫌でもわかってしまう


あなた
嫌だって言ったら?
イフリート
君を撃つ
あなた
…そっか、でもイフリートくんには撃てないよ
あなた
だってあんなにも私を愛してくれてたもんね
イフリート
……
あなた
…もっちろん私も君は撃てない


少しでも時間を稼ぐために嘘を…


いや少し本音も混じっているけれど


淡々と話続ける


あなた
だから…
あなた
今日は見逃してくれないかな?


しばらくの沈黙が2人の間に流れる


それを引き裂くように話し始める彼は


イフリート
君は…
イフリート
本当にずるいなぁ



とても苦しそうに笑っていた









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