私がちっちゃい頃のお話し。
さわやかな風、少し暑いけどいつもより涼しかった日
いつも優しくて、助けてくれて、大好きだった兄。
ある日いつものように全面戦が始まる鐘がなった、
ちょうど兄は当番で戦に出かけて行った。
いつもと同じように少し怪我をして帰って来ると思ってた。
外は爆発音だとかでガヤガヤしててうるさい。
探しに行く訳にも行かないし、少し心がザワつきながらも家で待つことにした。
夜中になっても兄は来なかった。
いくら待っても帰って来ない兄、外はさっきよりも静かになっていた。
不安でずっと手が震えて止まらない、動き続ける時計、どんどん溜まってく不安。
兄が無事に帰ってくることを信じてただ待ち続ける。
どれだけの時間が過ぎたのか分からないほど気が気ではなかった。
インターホンがなった、やっぱり兄は生きてたんだ!
少しでも早く会いたくて玄関まで走った。
ドアを開けると兄の友人がいた。
少し赤く腫れてる目、しんみりした雰囲気、いつもは明るいのにな、と思いつつ兄の友人に聞いた。
でも兄の友人は黙ったままだった、強く唇を噛み締めて涙目になっていた。
だんだんと怖くなってまた手が震える。
嫌だ信じたくない、信じられない。
少しづつわかっていく状況、止まらない思考、震える声で言った。
兄の友人は涙を流しながら伝えて来た。
薄々気づいてた、でも信じられなかった、
いつも笑顔だった兄が死ぬなんて思いたくなかった。
兄の友人はずっと泣いている、相当仲が良かったのだろう。
たくさん何度も言っている、私もどんどん涙がでていく。
冷たくてもう笑ってくれることのない兄を想像するとこの現実を否定したくなった。
嘘だと言ってくれお願い、
心からそう思った。
嘘だよなんて言われないのは分かっているけれど、受け止めたくない。
そう兄の友人が言ったそのあとはよく覚えていない。
その後兄の友人に聞いた話だと収集がつかないほど泣いて修羅場だったと聞いた。
こんな事を考えてる内に仕事場についていた。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!