烏養「ずっと気になってたことがあんだが、」
そう言われてインターハイ予選の前日に呼び出された。
なんの話かと思いながらきくと
烏養「去年ベストセッター賞を取ってたか?」
その言葉を聞いた瞬間に私は暗闇に落ちた気分になった。
いやいや、そりゃばれるよなぁ!
あははwえへへw
さ「はい。そうですけど…もうできませんよ」
そう言うとハッとした顔で私を見つめてきた。
まぁ噂広がるよね。
あの大会を機に、そしてあの大会の後のこと。
ほんとお兄ちゃんには迷惑かけた。
烏養「腕が悪いと言うのは本当なのか?」
さ「はい。肩より上には上がりません。両腕とも。
まぁリハビリを繰り返せばまたら動くみたいですけど、もう、いいかなって。
これ言ったら怒ると思うんですけど
こんな、力無い方が嬉しかったんですよね」
烏養「たしかに、大きすぎる故の力のプレッシャーやプライドはあるかもしれんが…」
あぁ、この人もそういうのか。
みんなそうだ。
話せばそうやってバレー界へ引き戻そうとする。
嫌なのに、怖いのに。
さ「すいません。私はもう行きます。個人的な意見としてはあまり、
月島に刺激しない方がいいと思います。
彼もまた、何か隠してると思うので。
強大で、でも出せないそんなストッパーとともに。」
私はそう言って、家へと帰った。
昔話は嫌いだ。
だって…
何もかも終わってしまうそんな気分になるから












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!