第5話

融解
89
2024/12/01 13:43 更新
歌仙兼定
歌仙兼定
主ッ…!!聞こえているかい主ッ…!
歌仙兼定
歌仙兼定
聞こえていたら返事をするんだッ…!
ポンパドゥールのように柔らかな髪をリボンで束ね
陽光を浴びて照り返る桔梗のように華やかなその人物は
見た目とはそぐわない怒気を孕んだ歩みを1歩1歩踏みしめていた
歌仙兼定
歌仙兼定
ここかッ…主ィッ!
バンッ
と音を荒立て開けた障子の先には
五虎退とその虎に戯れながら思案げな顔をした審神者がいた
五虎退は歌仙が引いた障子戸の音に驚いたようで大きな瞳にうっすらと涙の膜が張っていた
五虎退
五虎退
ひぃぇあ…‎;ᯅ;
神楽
神楽
歌仙…
五虎退が驚いてるよ。気をつけて
歌仙兼定
歌仙兼定
嗚呼…すまなかった…
いや、それどころでは無い!!!
歌仙兼定
歌仙兼定
主、君に聞きたいことがあったんだ!
神楽
神楽
もしかして、前々日のおかしな鶯丸のこと…?
五虎退
五虎退
嗚呼、あの新しく来た方ですか…?
歌仙兼定
歌仙兼定
その事だ!
なんでそのおかしな刀がうちの畑で農作業してるんだッ!?
~本丸の畑~
小夜左文字
小夜左文字
そう、そこのごーやをこの園芸用の鋏で…
そう、上手だね…
愛染国俊
愛染国俊
緑のカーテン
ってのが気になってやってみたけど
思いの外育っちまって高い所のが収穫できなかったんだよなー!
助かったぜ!鶯丸さん!
内番服の小夜左文字とジャージの上着を腰に巻きVネックの長袖を着用した鶯丸
目の前には鮮やかなゴーヤのカーテンがあり、どうやら採り方を教えているようだ
小夜左文字と鶯丸は緑のカーテンの近くに居座り、そこから数歩離れた隣には来派の短刀、愛染国俊の姿も見えた
鶯
これくらい造作もない
軽作業なら簡単に出来そうだ
さも当然と吐き捨てる
小夜左文字
小夜左文字
そうでも無いよ…
僕らじゃ届かないから薬研にとってもらおうとして…
愛染国俊
愛染国俊
でも薬研でも届かないからなら飛んで切れば早いって話になって…!
小夜左文字
小夜左文字
危うく建物に傷をつけるところだったんだよね…
鶯
1部蔦の繋ぎ目が変だったり
右の柱が不自然に修理されてたのは
それが理由か
話しながらも鶯丸は
愛染国俊がたっている側の右側の柱やカーテンの蔦をまじまじと見つめる
確かに蔦は自動修復しようとしたのか変な形で繋がっているし、柱の部分は修繕した箇所だけ妙にカラーリングが明るい
小夜左文字
小夜左文字
素直に歌仙や陸奥守を呼びに行けばってあとから気づいた
小夜左文字は
本当にその時のことを猛省しているのか
顔を下に向け、眉間に皺を寄せる


そのような空気を切り替えるため愛染国俊は話題を変えた
愛染国俊
愛染国俊
……(¬ᴗ¬)メソラシ
………さーぁって、
次は畑の土を耕しに行くかぁ!
鶯丸さんは人間生活初めてだろうし!
小夜左文字
小夜左文字
僕らだと鍬が大きくて振り下ろせない
鶯丸さんがいるとコレが楽になる
鶯
ハハハ、この鶯に任せろ
お前たちの為に一肌脱ぐとしよう
それと…
鶯
俺のことは鶯でいい
鶯丸は長いし、しっくり来ないんだ
愛染国俊
愛染国俊
へー、変なの。
じゃーよろしくなうぐさん!
小夜左文字
小夜左文字
ウグイス…うぐいす…うん…
よろしくね、鶯さん
歌仙兼定
歌仙兼定
知らない間にお小夜が絆されてしまった!
あんな出自すらも怪しくなってきたあの刀にッ!
キーーーッと歯を食いしばる歌仙兼定
本当に悔しいのかなんだかハンカチを噛みちぎりそうな幻覚まで見えてきた
小夜左文字
小夜左文字
別に絆されてはないんだけど…
両手に乗る平たい籠一杯に夏野菜を盛り合わせた夏の実りバーゲンセールみたいな感じの小夜左文字が反動で締まりかけの緩い障子の隙間から声をかけた
歌仙兼定
歌仙兼定
お小夜ッ?!
五虎退
五虎退
あっ、さよくんこんにちは😊
乱藤四郎
乱藤四郎
僕もいるよっ!
ピンクブロンドの髪を跳ねるように揺らした
乱藤四郎が小さい小夜の後ろから顔をひょこりと出す
神楽
神楽
小夜くん、乱ちゃんお仕事ご苦労さま
ありがとうございます
この前懸賞で当たったプリンが丁度2つ冷蔵庫に残ってるのでお2人でどうぞ
やったー、とはしゃいで颯爽と廊下をかけていく乱
その横で乱の行先を少しの間見つめこちらに視線を戻した
小夜左文字
小夜左文字
小夜左文字
完全に絆された訳じゃない
ただあの刀自体は普通にいいヒトだよ
愛染も悪い気はしないって言ってた
小夜左文字
小夜左文字
でも、それば対゙僕らであるから
部屋に一瞬の緊張と沈黙が走る
小夜左文字
小夜左文字
刀剣僕らといる時は普通なんだ
鶯丸という刀を知らないからきちんとしたことは断言できないけど…
それでも常軌を逸するような活動には及んでない
小夜左文字
小夜左文字
だけど1度だけ…
1度だけ目につくくらいのおかしな行動があった
歌仙や僕らが人として歴が浅いモノが異常と悟る程の事が
五虎退
五虎退
もしかして、それって…
小夜の語りを引継ぐように五虎退が口を開く
瞳が落ちそうなほどの大きな瞳を上に持ち上げ審神者を
見上げる
五虎退
五虎退
鶯丸さんが部屋を移動し
勝手に顕現したアレですか…!
小夜左文字
小夜左文字
そう
小夜左文字
小夜左文字
霊剣に分類される青江や
明王の加護がある愛染も
その時は不思議な感じがしたって
魂がねじ曲がって揺れて暴れて抉れ
膨れるようなそんな不快感を
歌仙兼定
歌仙兼定
…………ッ
神楽
神楽
……………………………ェ…
五虎退
五虎退
………ふぇェ‎  ;ᯅ;
あまりにも想像出来えない表現を持ち出され
苦虫を噛み潰したような表情をする3人
五虎退に至っては噛み潰した苦虫のせいで今にも吐きそうな顔になっていた
小夜左文字
小夜左文字
あの刀はしっかり見極めた方がいいと思う
小夜左文字
小夜左文字
それにもう少しで遠征が終わる
両手に籠を抱え直しタタタッと軽快に廊下を走り出す、
小夜左文字
小夜左文字
青江が帰ってくるよ
とある霊剣の名を審神者達が集まる部屋に残して。
にっかり青江
にっかり青江
さァてそろそろ戻りますか
僕を必要としてくれてるみたいだしぃ?
にっかり青江
にっかり青江
ほーんっと僕の主って
厄介事には飽きないなぁ
石切丸や太郎太刀が来たら白目むいて泡吹いてぶっ倒れてそうだなアハハ



























































にっかり青江
にっかり青江
僕は全部知っているよ。見えているからねぇ。
笑いなよ、にっかりと。川ωΦ)

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