第150話

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2026/07/08 15:00 更新
side景瑚


下っ端たちが片付けてくれたおかげでちょっとだけ綺麗になった廊下を瑠姫くんと2人で歩く

……瑠姫くん、絶対無理してるっしょ

だって明らかに顔色悪いんだもん

瑠姫くんって、全部自分で抱え込むんだよね

俺知ってるよ?

瑠姫くんが夜実験室にこもって何かやってたこと

勇気が出なくて中は覗けなかったけど、何かやばいことしてるっていうのはわかってた

何をしてたのか聞きたくて

……でも、聞けなくて


結局俺は、いつも通りチャラいキャラの仮面を被るんだ
佐藤景瑚
佐藤景瑚
……純喜くんのこと、瑠姫くんが能力で治したんでしょ?
白岩瑠姫
白岩瑠姫
……あぁ
佐藤景瑚
佐藤景瑚
痛みは、もうないの?
白岩瑠姫
白岩瑠姫
……は、?
お前、なんで知って……!
佐藤景瑚
佐藤景瑚
嫌だなぁ、瑠姫くん
俺に隠し事できるって、思ったの?笑
白岩瑠姫
白岩瑠姫
………
ずーっと前から知ってたよ

瑠姫くんが使う能力、他人を治せるけど自分に痛みを移すんでしょ

俺、見たことあるから

何回も、何回も……

ヘマした下っ端を睡眠薬で眠らせて、その間に苦しみながら能力を使う瑠姫くんを目に焼き付けてきた

何もできない自分に苛立ちながらね
白岩瑠姫
白岩瑠姫
……知ってたなら、なんで黙ってたんだよ
佐藤景瑚
佐藤景瑚
だって、俺にはどうにもできないじゃん?
白岩瑠姫
白岩瑠姫
………
佐藤景瑚
佐藤景瑚
言ったところで、俺には何もできない
俺ができるのは他人になりすますことだけ
瑠姫くんを救うなんてこと、一生できないんだよ
……そう、俺には何もできない

ただ他人をコピーできるこんな能力、最初からなかったらいいのに

誰も助けられないこんな能力、俺が1番大っ嫌いだよ










白岩瑠姫
白岩瑠姫
……こいつ、全然起きねぇじゃん
佐藤景瑚
佐藤景瑚
瑠姫くん睡眠薬の量間違えた?
白岩瑠姫
白岩瑠姫
いや、それはない……はず
佐藤景瑚
佐藤景瑚
自信ないのが1番心配だからやめて!?笑
ぶらぶらと歩いていたらいつの間にか純喜くんがいる部屋に着いてて

俺たちはまだ少し血の匂いが残るその部屋に静かに体を滑り込ませた

部屋のベッドに寝ているのは、紛れもなく純喜くんで

瑠姫くんのおかげで怪我はすっかりいいはずなのに、ずっと寝てる

……早く起きないと闇烏が静かになっちゃうじゃん

俺のボケ拾ってくれるの、純喜くんしかいないんだからさ

早く、起きてよ

あーあ、つまんない

何もかもうまくいかないこの世の中は、あくびが出るくらいつまらない
佐藤景瑚
佐藤景瑚
………
白岩瑠姫
白岩瑠姫
____景瑚
佐藤景瑚
佐藤景瑚
んー?どしたの、瑠姫くん
白岩瑠姫
白岩瑠姫
……お前は、そのままでいいから
佐藤景瑚
佐藤景瑚
え、?
突然言われたその言葉に、俺は呆然と瑠姫くんの顔を見つめることしかできない

……でも、嬉しかったよ

俺は俺でいていいって言ってくれてるみたいで

俺のまま生きてていいって言ってくれてるみたいで

自分を否定されないって、案外嬉しいんだね


俺は前にいた組織の無慈悲さを思い出して自嘲を浮かべた

……やっぱり、俺闇烏にいないとだめだなぁ

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