土曜日に髪を切った。
失恋だとか、そんな大層な理由はない。
ただ、ちょっと伸びてきただけだった。
話が頭を横切る。
夜遅くまでゲームをしていた身には、
眠い以外の文字が入ってくることはない。
微妙に開いた窓の、そこから入る風。
人間はそよ風を心地よく感じると言う。
それが一番、感じられる時間だった。
髪の毛が風にふかれる。
前よりかはスッキリとした髪を感じる。
でもこれはきっと、
自分にしか分からない程度なのかも知れない。
キーンコーンカーンコーン
定番な話をして、朝の会が始まり、授業をする。
そして休み時間はあっという間。
気づけば一日が経つ。
何か少し待っていることがあれば、特に。
期待はしていなかった。
それは嘘になるけれど、
少し自意識過剰すぎたんだと思う。
下駄箱でふく風。
893が壁になって、ちょうど当たらない。
ふわふわしているような、飄々としているような、
笑いの混じった何とも言えないその声が、
今日は少しだけ心地よかった。
珍しく明るいの書きました。
気に入っていただけたら嬉しいです。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。