第10話

髪切った?〈8914〉
71
2026/02/27 04:45 更新
土曜日に髪を切った。
失恋だとか、そんな大層な理由はない。
ただ、ちょっと伸びてきただけだった。
.
はよ〜
014
おはよ
.
おはよ〜
014
おはよ
.
てか昨日のテレビでさ
話が頭を横切る。
夜遅くまでゲームをしていた身には、
眠い以外の文字が入ってくることはない。
.
〜はエグくね?
014
なるほどね、?
微妙に開いた窓の、そこから入る風。
人間はそよ風を心地よく感じると言う。
それが一番、感じられる時間だった。
.
あ、でさー
髪の毛が風にふかれる。
前よりかはスッキリとした髪を感じる。
でもこれはきっと、
自分にしか分からない程度なのかも知れない。



キーンコーンカーンコーン



定番な話をして、朝の会が始まり、授業をする。
そして休み時間はあっという間。
気づけば一日が経つ。
何か少し待っていることがあれば、特に。
期待はしていなかった。
それは嘘になるけれど、
少し自意識過剰すぎたんだと思う。
014
ねむ…
893
いっくーん
014
、うわ
893
酷いなぁ
014
いいからはやく帰ろ
893
…いっくん髪切った?
014
ぇすご、なんで気づいたの
893
え〜いっくんのこと大好きだから
014
いやそういうのいいからね
下駄箱でふく風。
893が壁になって、ちょうど当たらない。
014
…でもマジで気づいたのお前だけだよ
014
すごいね
893
んふふ、凄いでしょ〜
ふわふわしているような、飄々としているような、
笑いの混じった何とも言えないその声が、
今日は少しだけ心地よかった。





















珍しく明るいの書きました。
気に入っていただけたら嬉しいです。

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