ぼっくんは、嬉しそうに赤葦くんに写真を見せている。
恥ずかしさで悶える、私には目もくれずみんなぼっくんのスマホに釘付けだ。
「え…くっそ可愛いじゃないですか」
赤葦くん、ちょっと聞きづてならないぞ
なんの写真見せてんのねぇ。ぼっくん
「あ、このメイド服のヤツ送ってくんね」
木葉さぁぁぁんんんん!!!(キャラ崩壊)
平然とした顔で木葉さんは、私のメイド服姿のものをよこせといっている。
『ちょ、は、ぼっくんありえない』
「木兎さん。」
「なんだあかし!」
「赤葦です」
「えっ…とあかしあ?」
「誰ですか」
冷静に赤葦くんがつっこみ、ぼっくんがボケるという…
雪絵さんはちゃっかりぼっくんのスマホを奪い取ってかおりさんと画面をスクロールしている。
木葉さんは、うきうきとスキップして体育館を出ていってしまった。
『…ほんともうヤダ……』
うつむいて唇を尖らせて拗ねると
パシャリ
とシャッター音がなった。
「ふふ、シャッターチャンスだわぁ〜」
雪絵さんにバッチリその様子を取られていた。肖像権をご存知?
「白福さん、写真下さい」
赤葦くんが、真顔で言い放つ。凄いギャップ…じゃなくて
『、消して…』
「いいよ〜ただし後でなんか奢ってね〜」
「構いません。とりあえず送ってもらえたら。」
その執念はどこから来るの…見習いたいぐらいだよ…
ぼっくんはかおりさんに写真を送っているらしい。元凶の赤葦くんを軽くにらみつけると
「まって、その顔ずっとして写真取るから。」
と、スマホを取り出されたので顔を隠した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。