それは満月の日だった
任務に出かけていた俺は
運悪く上弦の鬼と出くわしてしまった
数ヶ月前から、コイツとは夜に出会うようになった
出会う度に求婚を求められ、詰め寄られる
そんな奴の姿がうざったらしくて仕方がなかった
それに俺は男だ、柱でもない
なのに、なぜこの男は俺を求める?
俺はそんな奴の姿に疑問しか湧かなかった
そして今宵も、月明かりが目立つ夜に
そいつは森の木の上から現れた
奴は同じような言葉を今日も繰り返す。
それをいつも通り、切り捨てるように俺は断る。
全く…うざったらしいったらありゃしない。
奴は俺の肩を強く掴み、抱き寄せた。
距離が近いせいか、猗窩座の声が耳に直撃する。
奴の掴む腕を無理やり切り離し、距離をとる。
猗窩座にバレないよう、
腰にかけてある刀を手にかける。
闘志?至高の領域?
こいつには、それが見えているのか…?
だが、話を聞くに本当にコイツは
ただの人間の俺に惚れただけなのか…?
奴は瞬く間に俺の目の前へと現れ、
前髪を上げ、瞳を覗かせた。
くそッ…この野郎、鬼のくせに顔がいい……!!
女だったら惚れてたぞッ!!?
そしていつの間にか奴の手は俺の頬に触れていた。
その手を払い除け、奴を睨む。
コイツッッ!!!??
気がつけばもう辺りは
太陽の日光で眩しく照らされていた。
そして、奴は暗闇へと去っていく。
ーーそれがいつの間にか日常へとなっていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。