「それが楽園の本当の姿。」
棄てられた複数の死体に被せられたシートを捲り、咳き込んでいるアリスくんにチシヤが告げた。
私はチシヤの後から顔を覗かせ、よっ と手を振ってみせる。
すると軽く会釈を返したアリスくん。
「ビーチのルール」
そう発したチシヤに続き、私も口を開いた。
「裏切り者には死を。」
戸惑いを隠せないでいるアリスくんを連れて、建物の屋上に移動した。
屋上はやはり日当たりが良く、夏であるこの国はカラカラしていて暑い。
日焼けだけはほんと勘弁。
「アリスくん、ウサギちゃんと2人で随分情報収集してるみたいだけど、何を企んでる?」
チシヤの問いかけに対して 別に と素っ気なく返すアリスくん。
「単刀直入に聞くよ。」
それからチシヤは、私たちがこれから行おうとしている計画について話した。
あーーー、日焼け止め塗りたい。
先程から無言でいる私は、チシヤとアリスくんが話しているのを横目にそんな事を考えていた。
その後アリスくんとクイナとは別れ、私とチシヤの2人になった。
「アリスくんから良い返事もらえるといいね。」
「そうだね。」
今夜はボーシヤもゲームに参加するらしい。
私もそろそろ行っとこうかな。
自分もゲームに参加することを告げると、チシヤに 行ってらっしゃい と見送られた。
その日の夜
『難易度 ハートの8』
「きたこれ」
「私の得意分野♪」
ハートなら任せてよ。
……あれ、なんか私、ゲーム楽しんでない?
死ぬかもしれないのに?
おかしいなチシヤのせいだ絶対。
今回のゲーム会場はとあるテレビ局。
内容は、10問出題される2択に対してどちらを選ぶか。多数派の方の首輪が爆発する。同数の場合は無効となるが、最後まで誰も死ななかった場合、全員の首輪が爆発するという。最後まで生き残っていればゲームクリアらしい。
「まあ、余裕かな。」
見事に1人で勝ち残った私は、会場を背にそう呟いた。
「ただいまチシヤ。」
「おかえり。どーだった?」
「1人で勝ち抜いてきてやった。」
「そっか。どんなゲームだったの?」
チシヤは私がゲームに負けて死ぬかもしれないという点に関しては、さほど心配してなかったらしい。
それよりは他の男にホイホイ着いて行かないかの方が心配なんだって。
えなに、かわいいじゃん。笑
スランプなんです、ほんと。
ごめんなさい泣













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。