手すりから身を乗り出して
眼下の用水路を覗き込む
梶さんの姿は見当たらず
飛び散った水飛沫だけが
水面に消えていく
あまりに突然でかつ
一瞬の出来事に
呆然と立ち尽くし、
言葉を失った
.........が、こうしても居られない
幾ら用水路とはいえ
流されたりでもしたら大変だ
ふっと息をついて、顔を上げた
それだけを告げ、
河川敷の方へと足を速めた
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河川敷に続く階段を駆け下りて
足を止め、辺りを見渡す
ほとりから上がってくる
人影 ( with 子猫 ) を発見
太陽光に照らされる明るい髪と
少々目付きが悪めな顔つき
梶さんで間違いない。ビンゴ
結構な高さあったけどな あの橋
外傷が見当たらないから
単なる意地っ張りではなく
紛れもない事実なんだろうけれども
もしやこれが級長パワー
ってやつなんだろうか
だとしたら凄いな級長
尚更桜にお似合いの役職だ
二つ返事でリサちゃんこと
子猫を受け止める
これでもう逃げる心配は
しなくていいが、
この濡れ具合だと
今度は風邪が心配だ
何か拭くものがあればいいのだが
己の成り行き任せ感を
若干憂いつつ、
着ていたブレザーを脱ぎ、
濡れたリサちゃんを布地で
包む様にしてそっと抱き上げた
自分は濡れることも
お構い無しに飛び降りた癖に
人のブレザーを心配をするとは
やっぱり風鈴の人達はどうもこう...
お人好しが多いというかなんと言うか
突然の大声が私の鼓膜を劈く
耳まで赤くして体をわなわなと
震わせる先輩をお構い無しに
小さな口から牙を覗かせて
大あくびをかますリサちゃん
この妙なコントラストが
なんともカオス
真っ赤な顔で先輩に
抗議される始末
一応キャミソール着てるから
こっちとしては平気なんだけど...
そうこうしている内に
榎本さんの声が聞こえてきた













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!