捕獲対象を見つけたはいいが、
如何せんすばしっこくて
手に負えない
こんな事なら 猫じゃらしの
1本や2本もってくるべきだった
無意味な後悔をしている隙にも
リサちゃんは屋根の上、
桜がパルクールかの如く
登っていくが、
リサちゃんの脚が
止まる気配はない
…これは手分けして
探した方がよさそうだ
それだけ言って、私は
通り道に走っていった
♡———♡———♡———♡———♡
幾分か走った 曲がり角の先
毛並みのいい白猫を捉えた
桜とも合流し、互いの手が
標的に伸びる
あと1歩、あと少しで
捕まえられる…そう思った時
リサちゃんは
桜の手をすり抜け、
再び手を伸ばすより先に
橋の下に飛び降りてしまった
焦燥感に駆られ、
橋の手すりに手をかける
その瞬間、視界の端に __ ,
橋を飛び越える、梶さんの姿
彼の姿を捉えたほんの数秒後に
静かだった川の水面に
水飛沫が 勢いよく飛び散った
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!