第58話

#50
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2026/03/11 06:00 更新
荼毘
 ムリだね限界。今日も元気に父親が飛んでる。耐えられないね 
不服そうな顔で荼毘はボスを睨め上げてる

確か父親がヒーローなんだっけ
AFO
 燈矢くん、僕と君は似ているけど一つ違いがある 









何言ってんのこののっぺらぼう


いや意味はわからなくもないけど


外見とか全然似てないじゃん
一つどころじゃないじゃん違い
第一髪の毛ないし
AFO
 いいかい?僕という人間は一つのゴールに対していくつものいくつものルートを予め作っておく 
AFO
 厳密にはいざという時に使えるルートを何年も何十年も前から作っておき、最良の道筋を取捨選択してゴールに結びつけるのさ 
酸素マスクをつけた口の
その口角を上げてニヤニヤ笑っている


妖怪よりも気色悪い
人間目線の妖怪ってこんな感じなのかな
AFO
 そう、ルートは無数にある。完全な肉体はお預けをくらい緑谷出久は堅固な雄英に戻ってしまったが、僕は燈矢くんと違って友達が多いんだ 
身の毛もよだつような
奇妙な感覚だ

わたしたちのボスは一体どんな怪物なんだろ
数日。
その間に弔はどんどん回復していった
(なまえ)
あなた
 とむらー、正気戻った? 
死柄木弔
 イカれてたみたいな言い方やめろ 
(なまえ)
あなた
 多分イカれてたと思うよー。
 正気なのにあんなふうに叫ぶ人間見たことない 
あれは正気じゃなかったなぁ
死柄木弔
 …!? 
弔はしゃがんでわたしの顔を覗き込んだ

かと思えばかっと目を見開く
グイッと顔を引き寄せられる

真っ赤な瞳がじっとこちらを見つめる
死柄木弔
 何だこれ 

これ…?
ああ、お札のことか


びっくりした
(なまえ)
あなた
 その…ヒーローにやられた 
(なまえ)
あなた
 触れないし取れないし痛い 
霊力が封印されてるのももう慣れてきたけど

憎しみはブクブクと膨らみ続けている
死柄木弔
 …   
長すぎるスカートを少し上に上げて
膝にぶつけられたお札も見せてみる
死柄木弔
 グロ…   
(なまえ)
あなた
 なかなか酷いことするでしょ 
 人間のくせにねぇ
そんなグロいのかな
まあいいや


ぱっと裾を離して
弔の前に向き直ってみる
(なまえ)
あなた
 弔は戦えるの? 
死柄木弔
 あと数日したらな 
(なまえ)
あなた
 わたしも戦えるかわかんないけど
 今回で精一杯復讐するって決めた 
これはほんとのほんと。
いつまでも引き摺ってたら幸せなまんま蝋野朱美が死んじゃうし
わたしのこの復讐心が一生収まらない


だから…
(なまえ)
あなた
 だからさ、この子預かってくれない? 
手から小さい海坊主を呼び出して
弔に差し出す
死柄木弔
 …話が飛躍しすぎて訳がわからん 
弔の頭の上にははてなマークが浮かんでいる
あ、説明忘れてた

妖怪じゃないし
話がわからないのか
(なまえ)
あなた
 んっとね、わたしの力は海坊主を操るって感じなんだけどさ 
死柄木弔
 ああ 
(なまえ)
あなた
 その力でこの子の力も強大化させてるの 
(なまえ)
あなた
 つまり 
(なまえ)
あなた
 わたしに何かあったらこの子が小さくなるなり水になるなりするよ 


彼の前では笑ってみせるが
わたし自身何が起こるか全くと言っていいほど予測できない


人間に手こずったのも
霊夢以来だし


普通の感性なら


前までのわたしなら怖くてそんなの想像もできないけど
今はこう考えられる


最悪
わたしは怨霊になってしまうんじゃないかな

わたしは消えてなくなっちゃうんじゃないかな

或いは復讐を終えてまた普通に生活してるのかな







そんなことを考えてたら
弔は無言のまま固まっていた
(なまえ)
あなた
 とむらー? 
うっすらと涙が浮かんでいる
(なまえ)
あなた
 泣いてるの? 
死柄木弔
 泣いて、ないし 
 ふざけるな   
そう言う彼は歯を食いしばっている
無理しているのが見え見え
死柄木弔
 お前がこんな事するなんて…今まで無かっただろ…   


意外と人間らしいとこあるなぁ
(なまえ)
あなた
 心配しないで。
 ただ単に予防線だから 
(なまえ)
あなた
 それにさぁ
 これで遺言っぽく残して普通にヒーロー滅んだら笑い話になりそう 


そういうと
弔は安心したのか
ニコリと笑った
死柄木弔
 そうだな 
一ノ瀬 アオイ
一ノ瀬 アオイ
おつあおー

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