第3話

3話
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2023/11/06 10:35
画面には、他の者の安否を伺う文面が幾つもあった。




「皆無事?」
『今の所ライバーは全員無事みたいですね。』

真っ先にライバーの安否確認をしていた甲斐田晴が返事をする。

『今誰かと一緒にいたりする人おったりする?俺らメシャズ、あ、まゆゆも一緒におるけど』
『あ、VΔLZもオフコラボしてたんで・・・』
『オフコラボはしてないですけど咎人も一緒です』
「ChroNoiRも一緒。」
『あ、さんばかはとこちゃん以外一緒に居ます。とこちゃん地獄の門を確認しに行ったので・・・』
『VOLTACTIONは今全員事務所に居るんで今合流中です。あ、緑仙先輩いる!せんぱーーい!』
「奇跡的に皆割と固まってるね。」

纏めると、
・黛灰、三枝明那、不破湊
・弦月藤次郎、長尾景、甲斐田晴
・叶、葛葉
・リゼ・ヘルエスタ、アンジュ・カトリーナ
・風楽奏斗、四季凪アキラ、渡会ひばり、セラフ・ダズルガーデン・緑仙

が一緒に居る。

『すみません、あの、今僕案件配信中だったんですけど、スタッフさんが全員消えてて・・・』
『えっ、まじ?奏斗。・・・うわ、マジだ!』
「じゃあ今はライバーのみがこの結界内に居るってことか。」

叶はあれ、と思う。が、それを本人が口にした。

『いや、だったら俺が居る訳が分からない。俺だってもうライバーじゃないから、』
『あ、そうやん。まゆゆもうライバーやないやん』
『うん。だから多分、卒業済みのライバーもこの結果内に居るんじゃないかな』

だがそれを社築が否定する。

『・・・いや、違うっぽいよ。元ライバーに片っ端から連絡入れたけど出ない。』
『俺アクシアとは連絡取れたんだが?』
『郡道さんとも連絡取れましたー!』

叶は気付いた。

「それさ、全員結構最近卒業した人達じゃない?少なくとも1年位でしょ?」
「お前天才じゃん。あ、待ってEN勢は?」
『ENとも連絡取れたんですけど・・・その、今何故か事務所に居るっぽくて・・・』

ENが? と困惑が広がる。
無理もない。EN所属の者はほとんど全員海外に住んでおり、日本に来ているという連絡も無かったからだ。

『あ、すみません。闇ノシュウです。お疲れ様です。』
『シュウ君!良かったディスコ繋がったー!』
『はい。えっと、今EN勢が何人か事務所に居て、全員合流しました。 確かVOLTACTIONの方々って事務所にいらっしゃいましたよね?後で合流したいです。』
『了解です!今どこですか?』
『えっと、多分ここは・・・3DLINEとかに使う所ですかね。機材がいっぱいあるんで。』
『おっけー直ぐ行きます!』
『あっ、エット、チョット待って。』

直ぐに向かう、という意見に静止をかけたのはアイク・イーヴランドだった。

『エット、事務所ノ中は安全だケド、外は危険だかラ気ヲ付けテ』
『外?何も居なくない?』

『っあー、すみません加賀美です。甲斐田さん達と合流しました。 端的に言いますと、私先程まで会社にいたんですが、何者かに襲われまして。 丁度居合わせた長尾さん達に助けていただきました。』
『えっ社長襲われたの?!大丈夫?!』
『はい。無傷です。』

襲われた。
外に人は居ないはずなのに。

『あー、長尾から悪ーーい知らせがあります。 魔となんかキモイやつがいっぱい外に居ます。』
「魔?」
『動画送るわ。そっちのが早いやろ』

添付された動画を見ると、長尾が剣で戦い、甲斐田が何やら魔法のようなものを使って戦う姿が撮られていた。撮影者は弦月のようで、時折こちらに飛んできた攻撃を結界のようなもので防いでいた。

戦っている敵は、黒く、モヤのようなもの、翼の付いた人型の魔物、獣のような生物。様々だった。

『黒いモヤみたいなやつは何か分かんないですけど、浄化したらしにました。獣みたいなやつは魔です。翼のやつは死ななかったので取り敢えず封印という形で動けないようにしました。』

冷や汗が流れる。

「くずは、あれ、」
「・・・翼のヤツは吸血鬼だ。」

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