第6話

【 伍 】
1,693
2025/03/29 14:00 更新


  あなた sitenn


あなた
 ん〜… 
これは流石に使えないな 。


 荷物の中に入れていたスマホとモバイルバッテリーを手に持ち 、はぁ…と重いため息をつく 。
 
 困ったものだ…この時代にとどまってから一ヶ月はとうに過ぎている 。
 
 前に 、スマホが使えないか試してみたが…案の定 、圏外で使えなくなっていた 。
 
 もしかしたら他にも使えるものがあるかもしれないと思い 、今に至る 。


あなた
 困るんだよなぁ〜… 
 
あなた
 元の時代に戻らないと 、 
歴史が狂うかもしれないし 。
 
あなた
 ……ねぇ 、君もそう思わないかな? 


 完全に忘れかけていた存在を思い出し 、ニコリとそちらに微笑む 。
 
 ..は 、太い木にめり込んでいる特級呪霊 。


 先程吹き飛ばしたが 、戦う気力が無さそうだったので放置した 。


呪霊
 ヴァ"…ッ 、 
 
あなた
 ………話す気力も無し 、か 。 
 
あなた
 君弱すぎ 、 
遊びにもならないじゃん 。


 おもんな 。
 
 そうボソッと呟き 、斬撃を放つ 。
 
 斬撃は逸れることなく呪霊に命中 。
 
 呪霊は声も出さず 、ハラハラと消えて行ってしまった 。


あなた
 …とりあえず 、 
ここ鎌倉の呪霊はこれで最後かな 。


  諏訪 さんに呪術界のことを教えてから数日は過ぎた 。
 
 この調子じゃ 、食料どころか 時行 の命も危うい 。
 
 ……それに…


あなた
( … 時行 に憑いている呪霊も 、 
  早いうちになんとかしとかないと… )


 日に日に強さが増しているため 、早いところ祓ってしまいたい 。
 
 だが…
 
 私が国を滅ぼせる力を持っている 、ということを明かしてしまったためか 、 諏訪 さんが私を 時行 に近寄らせようとしないのだ 。
 
  諏訪 さんが言う“ 神眼 ”を使って未来を見れば済む話 。
 
 しかし 、未来が変わるかもしれないとうるさいのだ 。
 
 その言動は 、私を警戒しているということにあたいする 。


あなた
 本人に堂々とそんな態度をとれる… 
あるじへの忠誠が強いっつーことか 。


 うん 、そういうことにしとこ 。
 
 兄貴のようにはなりたくないが 、ポジティブなところは 、少しばかり見直さなければならない 。







あなた
 ……! 
 
あなた
( 呪霊… )


 廃屋はいおくへ戻ろうとすると 、少し離れた所に呪いの気配がした 。
 
  時行 のものでもない 。
 
 強さから見積もって 、所詮一級相当……
 
 ついでに祓っとくか 、と軽い気持ちでそんなことを考え 、気配のする丘へと足をゆっくり進めた 。
 
 ……その行動悪い呑気さが吉と出るか 、凶と出るかいなか…………



















 丘へ行くと 、嬉しそうな子供達と保護者のような 諏訪 さん 、そして 時行 の背後に首と胴が離れ離れになった死体が 。
 
 何をしていたのかは分からないが 、お目当ての呪霊が見当たらない 。


あなた
 … 諏訪 さん 、 
一体何をしてたの?
 
諏訪 頼重
  あなた 殿 、 
丁度いいところにいらしましたね 。


 「 時行 様の最初の獲物でございまする〜! 」と元気に言う 諏訪 さんを軽く受け流し 、辺りを見渡す 。
 
 視界には 時行 と…取り憑いている呪霊 。
 
 嬉しそうにはしゃぐ 亜也子 に 、一人冷静な 弧次郎 、ニコニコとその二人を見つめる 雫 。
 
 そして刀を持ってフラフラと立っている、首が無い死体……


あなた
( …死体が立ってる!? )
 
あなた
( いやそもそも......! )


 刀を持った..は 、ゆらりゆらりと 時行 の方へ歩み寄る 。


あなた
 ッ 時行 !後ろ!! 


 私がそう大声で言い放つと 、 時行 は反射的に後ろを振り返った 。
 
 私は急いで 時行 の方へ走り出す 。


あなた
( クソッ…しくった! )


 ちゃんと急いで来て 、辺りを偵察していればこんなことには……!
 
 そんなことを後悔しても 、今更何も起きない 。
 
 刀を振りかざす..と 、恐怖で動けない 時行 の間に入って攻撃を防ごうと 、めいいっぱい足で地面を蹴飛ばす 。







 ___私の視界には 、刀を振りかざした..と 、噴射するように飛び散る紅色の液体が映った 。


 

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