17:30
ほんと優しいなぁ。
ブーッ
メールが。
「 最 後 に 出 よ う ね
ち ょ っ と 待 っ て て 」
仕事中に。
パチリ。
部長と目が合い
にこっと微笑んだ。
みんなが会社を出て
オフィスには部長と二人。
車に乗って
彼の家に。
この車の香りも懐かしい。
あの日おっぱが怒ったときに乗った車。
少し買い物をして
家に着いてから
冷蔵庫から材料を出して
作り始める。
エプロンを着て
髪を束ねて
じゃがいもの皮を剥く。
キッチンに向かって一緒に皮を剥く。
彼は私のうなじにキスをして
カプリと優しく甘噛みする。
「 い ろ い ろ 」たべたい。
どんな意味が込められているか
わかるはず。
カレーをグツグツ煮込んでいる間
ふたりで座って
コーヒーを飲む。
その時間すら幸せ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。