僕によるお星様を夜空に帰そう大作戦が始まった。
作戦の決行日は全く決めていない、今だと決まったタイミングでする。
タイミングより大切なことがあるそれは詩音が協力してくれるかどうかだが順調に仲良くなっているし、僕は詩音のことが大好きだし大丈夫だろう。
相手に信用してほしいなら自分からだ。
それにある約束があり記憶の無い自分が唯一覚えていることらしい。
約束の内容は「一緒に星空を見に行こう」だ。
星空は外に出ないと見れないので協力してくれる可能性は高い。
「しぃ運動の時間。」
「分かった。」
最近は詩音から声をかけくれる、声も抑揚があり笑ってくれる。
両親が子を思う気持ちが少し分かる気がする。
「まずは走ろ〜。」
体力をつけようと始めた運動の時間。
無駄に広く物の無い殺風景な部屋は運動にもってこいだ。少し小さめの体育館みたいな感じだ、とても白色だけど。
走り始める、前を向くと詩音の背中が見える。
同じタイミングで走り始めたのに…
「音ちゃん速い。」
「力ならしぃの方が強い。」
確かに力なら詩音に勝てるけど足の速さは負ける。
頑張れば詩音に追いつけるかな。
最近、詩歌がこそこそと何かをしている、何をしているか聞いても内緒とはぐらかされる。
そんなことを考えていると、男性が入ってきた。
詩歌をここに連れてきた人と同じ人だ。相変わらず無愛想。
いつも通り注射器を出すと腕に刺す、冷たい液体が入ってくる。
「うっ。」
頭がグラグラする、今ではもう慣れたが初めは大変だったよく倒れていた。
男性がでていく。
「大丈夫?」
部屋の端で様子を見ていた詩歌が近づいてくる。
「頭がグラグラする。」
「薬の副作用か。」
詩歌が少し考え込むと下を向いていた顔を上げた。
その顔には楽しいと俺にも分かる伝わるほどの笑顔があった。
「音ちゃんつらい?」
笑顔で聞く質問だろうか、そんな疑問もあるなかなんとなくこの質問が自分の運命を決める気がした。
緊張で声が震えないように慎重に口を開く。
「つらい。」
この答えに満足したのか詩歌はもっと口角を上げる。
「ならここから出よう!!」
「へっ。」
驚きすぎてまぬけな声が出た。
ここから出るそんなことが出来るのかここは地下だ地上までどれくらいあるか分からないし俺の能力で瞬間移動するには行きたい場所が見えるか道のりを覚えているかのどっちかが必要だ。
そういえばこの場所で瞬間移動するとき毎回見たことない景色が目に浮かぶ。
とにかくここからどうやって地上に行くつもりだ。
もし行けるのなら…
頭に浮かぶのは誰かが話しかけてくる様子上手く見えないし聞こえないけど一つだけはっきりと聞こえた。
「一緒に星空を見に行こう。」
幼く優しい声が頭に響く。
もし行けるのなら、星空をみたい約束をした誰かと。
「行けるのか?」
「もちろん。」
そう言うと詩歌はスプーンを取り出しそのスプーンを構える、まるで天井を切るかのように…まさか!!
「天井を切るのかさすがに。」
「僕の能力は手で切る動作をすると切れるんだ。」
言葉を続けようとしたが詩歌が遮るように言葉を紡ぐ。
「手で切るときはそこまで威力が出ないけど手じゃない他の物でね切ると威力が上がるんだ。」
そう言うと息を吸い込み足を下げ腰を低くする。
「一刀両断。」
そう唱えると同時にスプーンを振り上げる。
すると天井が切り裂け光るものが現れた。
星だ。
「綺麗でしょう、音ちゃんの目みたいに。」
折れ粉々になったスプーンを捨て言う。
俺は詩歌が本当に天井を切ったことに驚きながらも初めて見る星に魅入られた。
こんにちは星凪です!
知識が無くて切るときの動作を書くのかとても大変でした、知っているって大切ですね。
やっと詩歌の能力が判明しましたその名は一刀両断。
次回は詩音の能力も判明するかも?
この小説を読んでくれてありがとう!
一刀両断
手で切る動作をすることで対象を切ることが出来るが威力と規模は手以外の物で切ったときには劣る。
切るのに使用された物は一刀両断の威力などに耐えられず粉々に割れたり折れたりする。
手以外で切ると腕がとても疲れるため使用出来る回数が限られている。







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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。