海人と廊下を歩きながら何気ない会話を交わす。
海人『 てか俺ほんとバカだったわ…
自分が怖いの苦手なの忘れてたって… 』
「 ほんとだよ! 」
冗談まじりにそう怒ると、海人はバツが悪そうに言う。
海人『 ほんと、ごめん、、
代わりにお昼奢るから! 』
「 え? 」
海人『 それなら許してくれる? 』
「 いや…別に私怒ってはないよ笑
そんな心狭くないです 」
海人『 ほんとのほんと??
……そっか、、よかった、 』
「 ……ま、お昼ご飯に免じて許そう! 」
海人『 神様ぁぁぁぁぁ(´;ω;`) 』
「 泣くな泣くな笑 」
その後、外の屋台をまわって食べ歩きしたり、イベントを見学したりして楽しんだ。
イベントではビンゴ大会やじゃんけん大会などのミニゲームをやっていた。
惜しくも2人とも途中で終わっちゃったけど…
海人『 いやー、もうちょっと早くビンゴしてたら
景品とかもらえたのになー 』
「 じゃんけんは結構早く負けちゃった… 」
海人『 まあでも楽しかったしいいけどね! 』
「 そうだね 」
海人『 これからどうする?お昼も食べたし…
まだ時間はあるよ 』
「 うーん…… 」
終わりまであと3時間くらいかなあ…。
お昼も食べてお腹いっぱいだし、校内も結構まわったし、正直あんまり行くところがない。
海人『 ……あ!!やっば、!! 』
「 ん?どうした? 」
海人『 先生から呼び出されてたんだった… 』
「 え…何したのよ笑 」
海人『 と、とりあえず行ってくる!ごめんね! 』
「 全然心配しなくていいからねー 」
海人は駆け足で校内へ戻っていった。
うむ……1人はすることがないっ
………校舎裏行こうかな。
私が密かに通っている場所。
校舎裏に草木に囲まれた椅子と机が置いてあって、よくここで居眠りをして暇を潰していた。
お昼に空乃がいない時はよくここに来て心を落ち着かせている。
「 今日も、誰もいないか… 」
人がいないか確認をしてそっと椅子に座る。
何故かわからないけど、ここにいると何でも忘れられるっていうか…
癒しの時間になってるんだよね。
「 ちょっと寝ようかな… 」
そう思って寝転がろうとした時、足音が聞こえた。
「 みやび…ちゃん……? 」
みやび『 ……え、 』
「 …………え、。 」
少しの沈黙が流れる。
みやび『 なんで…こんなとこ…、 』
「 えっと…あの…… 」
みやび『 丁度いいしいっか、… 』
「 え? 」
みやび『 よかったらお話ししましょう 』
「 え、、いいですけど… 」
みやび『 敬語に戻ってる 』
「 あ…… 」
みやび『 隣失礼 』
みやびちゃんは私の隣に腰掛けるとしばらく黙って、また話し始めた。
みやび『 ……誕生日は? 』
「 ……え、、 」
あまりにも普通な質問が飛んできて、少し戸惑った。
「 2月14日…… 」
みやび『 ふーん…… 』
みやびちゃんはそれから私にずっと質問をしてきた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。