薄明るい光が、障子の隙間から静かに差し込んだ
朝霧を含んだ風がひんやりと頬に触れる
空はすっかり夜を抜けて、少しずつ朝の色を帯び始めていた
私は布団の上でしばらく天井を見つめていた
心臓がいつもより静かに”緊張”しているのがわかる
そう思ってゆっくりと体を起こすと
ふと、障子の向こうから足音がした……
聞きなれた声に思わず笑みがこぼれる
そっと障子を開けて、彼が部屋に入ってくる
手には、小さな包み
ドキリとした、図星だった
無一郎はこっちをじっと見つめたまま、少しだけ眉を寄せた
思わず笑ってしまうと、彼は小さくため息をつく
その言葉に胸の奥がじんわりと温かくなる
彼は黙って、それから言った
私は目を見開いた
そういう彼の声は小さいのに真っ直ぐだった
それだけで胸がきゅっとなる
無一郎はほんの少し、微笑んだ
そうして彼は立ち上がり部屋を出る前にふと振り返った
その言葉が私の背中を優しく押してくれた
――そうして数時間後
私は背筋を伸ばし、刀を構え任務地へ向かう列にいた
でも出発の直前
ほんの一瞬だけ振り返ると、遠くの木陰に”ひとりの少年”が立っているのが見えた
風に揺れる羽織
じっとこちらを見つめる、真っ直ぐな眼差し
私は軽く手を振って、小さく口の形で
と伝えた
その瞬間彼もそっと唇を動かした
私はもう一度頷いて前を向いた
足元の地面が、少しだけ力強く感じられた
――任務が始まる
でも同時に
2人の”なにか”も始まっていた
1日1話更新
待ちきれなかったら2話更新するかも
待ちきれない人,,,コメントしなさい












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。