第15話

夢主
22
2026/01/21 06:01 更新
最新話までのネタバレ注意定期
とある半端者な看護士Cになりたい
本名は呼べないから病名を
人名っぽくあだ名っぽく呼ぶ、
まだ優しく気遣いのある
そんなモブ看護士になりたい
鱗粉病を「りんちゃん」と呼んで
面倒を見てた看護士になりたい
透明病を「メイ」と呼んで
いたずらを笑いながら軽く
こらこら~と叱る友達系の
看護士になりたい
機械病はカイくん
涙石病はルイくん
他の子は思い付かなくて
そのまんま呼びしたり
センスない呼び方して
「センスなーい!」とか
「思い付かなかったんだ……」
とからかわれたい
まだこんな小さな子供達なのにと
心を痛めながらも自分にできることは
日常を楽しく過ごさせることだけで、
救いになることもできなければ
離れることも見捨てることもできない
本当に半端者な看護士になりたい
その上で本編時空に心を痛めたい
涙石病と恋バナして、
「応援してるよ!」とか
「協力するね!」とか
言ったのに何もできず、
なんならそんな口約束を
した一週間後か数日後か
なんなら翌日翌朝に涙石病は
ルイくんは死んでいたと、
最悪な事態をナースコールで
理解しながら駆けつけることも
できず患者に子供達に寄り添わない
先輩看護士がその「出来事」を
片付けてしまったことで
だんだんと歯車がくるっていく
そんな看護士になりたい
その日から変わってしまった日常、
変わりゆく日々に苛まれながら
それでもできることをと
みんなの面倒を見て喧嘩にならない
ようにと和ませていって、
超音波病さんが退院できたと、
諦めてしまったけれども
生きて、薔薇病さんと仲直りして
退院できてよかったと嬉し泣きして、
そう喜んでいたのもつかの間、
どんどん悪いことが起きて、
りんちゃんがもう意志疎通も
ままならなくなってしまって、
それでも必死に世話をしてたけど、
久々に笑顔になってくれたその日の夜、
ナースコールが鳴り響くんだ。
ああ、そういやりんちゃんに
構ってばっかでメイのこと
放置しちゃってたな。
明日はメイと遊んであげよう。
なんて、ナースコールは透明病の
いたずらだろうと考えて
そして翌朝。
りんちゃんは、鱗粉病は、
誰かに殺されていたんだ。
もしもちゃんと駆けつけていたら。
何かあったら呼んでねと言ったのに、
無視したのは自分で。
みんなみたいに
「透明病のせいだ」と
思い込んだことで、
助かるはずだったりんちゃんは
苦しみ抜いて死んだんだと
そんな事実が、
赤く染まったりんちゃんの亡骸が、
むせ返るほどに舞い散る鱗粉病が、
抗いがたい吐き気を催して。
泣きながら吐いてしまう。
そんなとある看護士になりたい。
……書籍部門のマエダの成り代わり……?

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