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第4話

裏切者様には丁重なおもてなしで。
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2023/04/03 09:00 更新
推しを殺す。
残虐な殺人鬼でなければ、
思いもしない行為だろう。
私はそのことに気づいてから、
必死に資料を漁った。
ついでに記憶にある限りの
あの物語の内容も遡った。
(なまえ)
あなた
…。
ヴィクトリア様の寝かしつけをしながら、
私は、終末の赤色を思い出す。
憎きウランシー家の家来は、
ジェスティーヌ様を毒殺した。
その毒薬がジークフリート様の部屋に
あったことから、みんなジークフリート様が
犯人だと決めつけた。
リズは家来に言われて、ジークフリート様を
剣で刺して殺した…。
その後、家来が毒薬を購入していた
履歴が見つかって事態は一変。
リズはジークフリート様を殺してしまった
ことにショックを受け、なんとか
生き返らせようと魔女を訪ねる…。
(なまえ)
あなた
流れを確認したけど、毒については
対処のしようがないわ…。
物語では真夜中に家来が
ジェスティーヌ様を殺してたけど…。
公爵令嬢(未成年)は夜中に出歩く
ことなど許されない。
部屋を出る姿を目撃でもされてしまったら、
男遊びをしてるとか嫌な噂を
たてられてしまう。
もし家来がジェスティーヌ様を
殺す姿を発見したところで、
お母様に突き出されるどころか、
下手すれば私も殺されてしまうだろう。
ジェスティーヌ様の暗殺には
微量の毒しか使ってないもの。
瓶にはたっぷりと毒が残っている。
(なまえ)
あなた
じゃあ事前に家来をクビにしちゃう?
んー…だめだ。
あいつは、表向きにはすっごく
よく働く屍で、だからジークフリート様が
ジェスティーヌ様を殺したといっても、
すぐに信頼されたんだ。
私ごときがクビにしたいっていっても、
お母様たちはせっかく安い金で働いてくれる
骨を無駄にしたくはないだろう。
(なまえ)
あなた
ってことはジェスティーヌ様が
死んじゃうことは避けられない、と…。
婚約者にとっては可哀想だが、
私がしっかり仇討ちを果たして
やるからね。安心するといい。
っていうかその婚約者さんが
魔女に生き返らせる薬を
もらってきたらどう?
もしハッピーエンドで終われるなら、
私はその薬を使わないはずだから。
(なまえ)
あなた
じゃあ証拠をゲットする
しかないか〜…。
幸い私はお世話係を務めているおかげで、
王家の信頼は高い。いろいろ
言って、なんか高いもの
もらっちゃおう。(これでもまだ八歳児)
ヴィクトリア
ヴィクトリア
うう…うわぁぁぁ!!!
(なまえ)
あなた
え、リアちゃんどうしたの〜?
落ち着いて、落ち着いて〜!
ヴィクトリア様は五歳になるって
いうのに、すっかり我儘姫に
育ってるみたいだ。
(なまえ)
あなた
(ちゃんと、間違えないように…)
推しを殺したくない。
推しを罪人にしたくない。
推しに裏切り者って思われたくない。
推しのために。前世の私のためにも。
推しを殺すなんてあり得ませんっ!

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