第一章 - シナリオの終止符
空が赤みを帯び始めると共に少しずつ灯りが消え、夜に近付く。楽しそうに談笑をする声が響くともに何分かの足音や道中の草を踏んだり石を蹴ったりする音が微かに聞こえた。楽しげに弾む声が夕焼けの空に吸い込まれる。
燈色に染まった空に浮かぶ夕陽が沈みかけ、地平線に溶けゆく。黒い鴉が鳴き声を出して暗く染まり始める空に溶け込んでいった。
いつも通りの会話、いつも通りの空気感。優しき心の交差点のような場所では笑顔が絶えない。青春時代らしい雰囲気と笑い声が辺りを包む。
そんな交差点は、クラクションが鳴ったそのときに終わりを告げる。
偶然が折り重なったものか、或いは彼からの導きか。交差点を抜けて少し進んだ先には迷い道に入る。宿命が重なって織りなされた迷い道の先にある景色は誰も知らない。導き出した神でさえも、その道を辿ったプレイヤーでさえも。
夕暮れに溶け込んでいった鴉がまたも鳴く。暗い道には不気味に聞こえた。先程の道を少し進んだだけとは思えないほどに薄暗く奇妙に感じる。
宵闇に叢雲のような霧が混じる。白く濁っていく視界によってじわじわと皆の恐怖心が湧き上がり、重苦しい空気が流れ始めた。
皆が不安そうにしながらも彼が指差した左側に進む。曲がりくねった道である上暗闇の中霧が立ち込めていることもあり皆完全に迷子になってしまっていた。
ザク、ザク…と小石を踏む音がだんだん遅くなっていく。行くときはなかったはずの坂道に皆が疑問を覚え始めていた。
いや、違うかも…と誰かが言おうと思ったそのとき。
先程よりも濃い霧のようなものが辺りを包み込んだ。視界が覆われて前が見えなくなるほどになり始め顔を顰める。
彩葉が悲鳴を上げた後、何人かの足音が聞こえ次々に悲鳴が聞こえ始める。
みあが何かを言う前に声が聞こえなくなる。先程まで叫んでいたはずの皆の声も闇の中に消え去り、まるで胸に荒波が押し寄せたかのような恐怖感が皆を襲う。
暗闇、謎の霧、叫び声、突如仲間の謎の失踪。こんな状況に陥れば冷静さを欠かすのも当然と言えよう。
霧の中方向も分からず走った者も周囲を警戒した者も、声は闇に掻き消された。
*ありきたりなシナリオに終止符が打たれる。
*優しき心の交差点にクラクションが鳴る。
*花蘇芳は食すべからず。
*幻秘色のゲームに黒を少し混ぜて。
*命の駒をひとつ、動かす。
──── やがて、ハナズオウの花が咲く。
警告、警告 ──── 、
───ピ、ピ、ピー。
コホン。聞こえていますか?…ええ、結構。聞こえているようですね。
改めまして…選ばれし皆さん。こんにちは、或いはこんばんは。ここは希望に満ち溢れたとても楽しいゲーム会場です。
「 駄目だ!このゲームに参加してはいけない! 」
▶︎エラーが発生しました。再度やり直してください。
…おや?どうやらマイクの調子がおかしいみたいてすね。失敬、すぐに治しますから少々お待ちを。
「 正気を失うな。真実はすぐそばにある! 」
▶︎エラーが発生しまシた。再度やリ直シてクダさ1。
マイクの調子がおかしいわけではないのか。…おっと、失礼致しました。どうやら俺の駒が盛り上がっているみたいですね。
「 誰か…誰か、全てを終わらせてくれ!! 」
▶︎errーが発生しマしタ。再度殺りナおしてくだ3い。
……これでは話そうにも気が散ってしまう。仕方ありません、せっかく来てくれたのですし…私がまいた招待状を手に取ってくれた皆さんにはまた後日説明させていただきますね。
1話を読んでくださった皆様、ありがとうございます。初のホラー小説に苦戦しまくりの作者です🙌🏻♡
普段はあまり書かないジャンルなので書くのが難しかったですが、それ以上にとっても楽しかったです‼️
実は皆さんの役職はもう決まっております。ネタバレになるので役職は伝えられないのですが、基本的にルーレットで決めるため「優しい性格のキャラだから…」等々で考察することはおすすめできません…とだけ伝えておきます😌💖
まだ出せてないキャラも多々いますが少しずつ出していきます!全員メイン回を作る予定なのでそれもお楽しみに〜〜!!
次回、ゲームマスター登場!?です。楽しみに更新を待っていただけたら幸いです…‼︎






























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。