最初は興味本意で
話しかけただけだった
そこに執着などあるわけがなかった
なのにいつの間にか
少女の方へ足は動き始めていた
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雪の中、大声を出したくなんてなかった
喉が凍てついて喋るのも辛い
「 ガランゴロン! 」
その瞬間、
けたたましい音が辺りに響き、
立て掛けられていた
ドラム缶が倒れる
実際は、あまり大きな音では
なかったのかもしれなかったが、
シンと静まりかえったこの場では
あまりに大きな轟音だった
ドクン……ドクン……
少女の中で、大きな音が響く
ドク、ドク、ドク、ドク
その音は、
どんどん早くなって少女の思考を害する
じさつ 死にたい 放す
ドラム缶 つかまる 死ねない
ゆき ばけもの そら うつくしい
そんな考えが少女の頭を駆け巡る
そして、いつの間にか
少女の足は動かなくなっていたようだ
そう言って少女の手を掴もうとした、
その瞬間だった
初めて少女の見せた激昂
五条と少女は、
初めて会った“はず”だった
いや、初めて会ったのだろう
そんな初対面の人でもわかるほど、
少女はいきり立っているように見えた
その時起きたことを五条は、
もう忘れないだろう
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𝘕𝘌𝘟𝘛 ▶▷▶











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。