伊野尾 side
俺の恋人、髙木に連れられてやって来た、
ちょっと大人なバー
カウンターで横並びになって、お酒を飲む
髙木の手は俺の脚にあって、多分家に行く流れ
…でも、俺には、髙木に聞かなきゃいけないことがある
大事なこと、俺たちの今後に関わること
話そうと思ったタイミングで、
髙木のコップが空になってしまった
立っている店員さんに、目線を送ると、さっと寄ってくる
何となく、そわそわして、うわの空だから、
気付いたら、全部飲み干してた
とりあえず、同じものを頼んで、
話を切り出す勇気をもう一度固める
まさかの髙木から、尋ねられると思わなくて、
しどろもどろになりながらも、話し始める
はっきりと否定してほしかった、
俺じゃない、って…
その日は仕事をしてた、って…
確認してもいいよ、って…
髙木ならそれくらい言ってくれると思ってたのに…
やっぱり男だから飽きちゃったかな、
髙木、俺のこと、そんなに好きじゃなかったかな、
長い間、こんな関係で嫌だったかな、
無理させてたのかな、
髙木のこと、大好きなのに…
俺が男だから、髙木には好きになってもらえない?
俺が男だから、髙木は浮気するの?
俺が男だから、……
そう言った髙木はどこかに電話を掛けて
俺にスマホを差し出した
どうやら、一緒に仕事をしてた同僚らしい
あの日は、大きなトラブルもあって、忙しかった
夜は、部長に誘われて、みんなで飲みに行っていた
そんなことを語ってくれた
確かに、俺がホテルに入っていくのを見たのは14時頃
その時間にあんなホテルに入っていくのが
目についたから、あれが髙木かも、って気付いた
でも、その日、ずっと仕事してたみたいだし、
髙木じゃないってことだよね、
電話を切って、スマホを置いた髙木に
身体ごと向き直って、頭を下げた
髙木の手が腰に回ってきて、
腰を抱かれるようにして、立ち上がる
そのまま支払いを終えて、
タクシーに乗り込んだ俺たちは我慢ができなくて、
キスを何度も繰り返す
運転手が見てるとか、そんなの気にしないで、
軽いキスから、どんどん舌を絡めて、深いキスになる
いきなりタクシーを降ろされて、
目の前にあったホテルへ、連れて行かれる
雄也に全てを任せてされるがままにしてると、
部屋に入った瞬間に、壁に押し付けられて、
唇が重なり、雄也の手は俺の服を落としていく
解しもしないで捩じ込まれたそれは、
痛くて堪らなかった
でも、その熱が俺を求めていた証だと思うと嬉しくて、
壁に押さえつけられたまま、抱かれた
どくどくと奥に注がれる熱を感じていると、
抱き上げられて、ベッドに落とされた
モノが一度抜かれて、
四つん這いにされると、また挿ってくる
そう言われて、その言葉通り、めちゃくちゃに抱かれた
この後、バックで3回、騎乗位が1回、
対面でもしたし、窓際で立ちバックもした
風呂に入ろうとしたのに、そこでも抱かれた
雄也って絶倫なんだな、って初めて気付いた
へとへとになった俺は、風呂から出るなり、
ベッドに飛び込んで、意識を手放した
髙木 side
伊野尾くんの寝顔を見つめていると、電話がなった
相手は、あの日別れた女
遊びだって言ってるのに、本気になりやがったから捨てた
はー、バカじゃないの
疲れた、ムカつく
ていうかさっさと連絡先を消しておけば良かった
俺は伊野尾くんの為に女と付き合ってんの
毎回、こんなに抱き潰して、負担にするわけにはいかない
わざわざ友達にアリバイまで手伝ってもらって、
だから、その役割を分かってないような女は要らない
ま、いいや、
今日は、伊野尾くんが起きたら、もう1回しよ
不安になってるみたいだから、抱き潰すくらいが丁度いい
伊野尾くんの啼き声が部屋中に響き渡って、
静かになったのは、数時間後の話













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。