あなた side
「 さあ!早くタイマン始めよ〜!! 」
という兎耳山の声掛けで、
再び会場は盛り上がりをみせ
私たちは最前列の席へ座るよう促された。
梅宮側まで進もうとする私の腕をグイッと掴み
反対側に連れて行こうとする兎耳山。
てか力強くない?非術師なんだよね?ゴリラ?
そう言って、自分の隣の席をポンポンと叩く十亀。
アンタの隣とか嫌な予感しかしないし。
そんなこと言いつつ嬉しそうなのは何故ですか?
もしかしてドMですか???
ドヤ顔でそう言い張った梅宮。
私がいつアンタの隣に座るって言ったのよ。
それに…
忠犬の前で梅宮ディスはまずかったなぁ。
杉下が今にも私に飛びかかろうとするのを
柊が抑えてる。お父さんいつもありがとう。
ていうか、席座るだけでなんでこんな尺使ってんの。
早くタイマン始めよ???
そう思いつつ、兎耳山の隣の席にドカッと座ると
柊は少し不満げな顔をして言った。
隣に座ったら何されるかわかんないよね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!