大好きな人のことをいつも考える。
初めて会った日のこと、
雨、抜け出した日、
あの日あの時、
いつしか君に依存していることに気がついた。
君が居なければ、生きる理由も失うのだと、
懐かしい記憶、あの時も一緒だった。
何もかも嫌になった。
生きるって何?
死ぬって何?
親の愛情も受けてない僕には全くわからなかった。
何も知らない、勝手に居場所決められて、
エヴァによって傷つけられたからって僕が殴られる。
乗りたくて乗ってるわけじゃないし、
勝手に乗せられた。
居場所がそこしかなかったから、
ここに居るだけなのに、なんでそれだけでみんなに批判されなきゃいけないの?
そこに現れたのは第5の少年だった。
優しくて、僕の心の傷も癒してくれる君のことが好きだった。とても。
優しく包み込んでくれるような、辛いことも忘れられたような、そんな僕にとってかけがえなのない人だった。
ある日その人を失った。
僕が頼りすぎたのかもしれない、自分のミスでエヴァで君を失った。
さっきまで笑っていたのにすぐ僕から居なくなるのはどうして?
泣きながら君の名前を叫んだ。
けど、声は届くはずもない
結果的に報われなかった。
けど、
また出会った。
違う世界で、同じように、
その時僕は君を覚えていなかったけど、カヲル君は僕を幸せにするためにやってきたと、そう伝えてきて、何度も何度も出会い別れを繰り返していると、
とても僕は嬉しかった。
何度も君に会える。
けどそのかわり何度も失った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
僕は君のために生きてきた。
何度も何度も繰り返して、
シンジ君が幸せになっていると、僕まで幸せになれたから。
君を求めて、
何度も何度も君の前で消えても、
また逢いに行くよ。
シンジ君
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ここはどこ…?何も無い…世界?
確か僕はカヲル君と帰ったはずじゃ…
何か呼び声がする。
少しそちらに歩いてみる。
僕の声が響くだけ
「違うよ、」とさっきの人と同じ人の声がする。
「僕は、」
どんどん声が大きく聞こえてくる。
どんどん近づいてきていることがわかる。
白い霧で周りがぼやけてくる。
戸惑いながらもカヲル君に必死に話しかける
カヲル君が霧の中で少しずつ見えなくなっていくような気がする
消えかけている細くて白い手で何が入っているではろう袋を渡してくる
カバンに入れていたチョコを目の前に差し出す
僕もニコッと笑う
涙が数滴垂れてくる
カヲル君をそっと抱きしめる
涙がまた1滴、垂れた瞬間。
ポタッ…
カヲル君は消えてしまった____。
また逢えたらいいな。
最後にほのかに苦い君の匂いがした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
僕は眠っていた様だ。
僕はいつも起きると
なぜか〝泣いている。〟
でも1つ心当たりがある。
ほのかに苦い匂い。
懐かしい匂い。
カヲル君……。
〝また逢えるよ〟
、
…END「ビターチョコとホワイトチョコ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!