第10話

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2026/01/06 08:00 更新
おんりーside

事前の調べでは、敵には「回復系」の

能力者がいることが分かっている。

その能力者は「傷を回復する」能力者で、

死ぬ直前に傷を治しているのか、

敵の死傷者の人数はゼロだった。

一方でこちらは、【霧】が晴れて、起き上がった者が、

4人しかいなかった。
ドズル
おんりー、来たんだね
痛々しく血を吐きながら言うドズさんを、

俺は見ていられなかった。
おんりー
後は任せてください
おんりー
俺が全て終わらせます
ぼんじゅうる
いーや!俺達も戦うぞ!
振り返ると、ぼんさんとおらふくんとルントウ上官がいた。
ルントウ上官
お前一人に任せるのは心が苦しい
おらふくん
みんなで勝とう!
そして、俺達は前進した。
ぼんじゅうる
【領域】!
ぼんさんが一気に8人を【領域】に閉じ込めた。

おそらく、回復させないように、

あの【領域】内で確実に息の根を止める作戦だろう。
おらふくん
【構築】!
おらふくんは自分の姿を大量に【構築】して、

敵8人と戦っていた。
ドズル
【身体強化】!
ルントウ上官
【瞬間移動】!
ドズさんとルントウ上官は、

二人で多くの敵と戦っている。

俺は、「回復系」の能力者の元へ向かった。
【回復】の能力者side
Mob
(なんなのッ……こいつ!)
先程から、刺されては回復し、刺されては回復し、を

繰り返している。

私の能力は【回復】であって、

傷は癒えるが、刺されるのは痛い。

小僧がずっとこれを繰り返すので、

頭がおかしくなりそうだ。
おんりー
お前のせいで、大勢が死んだ
おんりー
本当は死ぬはずだった奴らを
無理やり戦場に送り込んだ
おんりー
お前のせいでッ……!
嗚呼、そうか。

私が今受けている苦痛は、

私のせいでみんなが味わった苦痛なのだ。

私のせいで、みんなは死ぬまで戦わされる。
Mob
そっか……ッ!
私が死ぬことで、みんなが報われるのなら__
おんりー
何考えてんの
私が死のうとした直前、

小僧は攻撃を止めた。
Mob
死なせてッ……!
Mob
私は生きちゃ駄目なんだッ……!
おんりー
は?
小僧は、どす黒い声で言った。
おんりー
これは、償い
おんりー
お前は、罪から逃げようとしている
おんりー
確かにお前は死ぬべきだが、
今のお前は死ぬことで
罪から逃れようとしているだけの__
おんりー
愚図だ
Mob
……ッ
小僧は、言い終わると同時に、

私の足を刺した。
おんりー
治せよ、ほら
Mob
……ア“ッ
小僧はどんどん私を刺す。

しかも、死ねないところを。
Mob
や“めてよ“ッ!
私は懐に隠してあったメスで、

自分の首を搔き切った。
おんりーside
おんりー
(こいつ……
 自害しやがった……!)
罪から逃れたこいつを、俺は許せなかった。

しかし、急いで戦いに戻らないといけなかったので、

こいつを剣でバラバラに刻むのは、後回しにした。
戻ると、あれだけいた敵は、全滅していた。
おんりー
終わっ……た、のか?
しかし、立っている味方の姿も見えない。

敵味方関係なく全員が、地面に横たわっていた。

俺は、とりあえず近かったドズさんの方へ向かった。
おんりー
ドズさん!
ドズさんは、俺を見た瞬間、

眼球が飛び出そうなほどに目を見開き、言った。
ドズル
逃げろ!
その瞬間、俺の背中が熱くなった。

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