おんりーside
事前の調べでは、敵には「回復系」の
能力者がいることが分かっている。
その能力者は「傷を回復する」能力者で、
死ぬ直前に傷を治しているのか、
敵の死傷者の人数はゼロだった。
一方でこちらは、【霧】が晴れて、起き上がった者が、
4人しかいなかった。
痛々しく血を吐きながら言うドズさんを、
俺は見ていられなかった。
振り返ると、ぼんさんとおらふくんとルントウ上官がいた。
そして、俺達は前進した。
ぼんさんが一気に8人を【領域】に閉じ込めた。
おそらく、回復させないように、
あの【領域】内で確実に息の根を止める作戦だろう。
おらふくんは自分の姿を大量に【構築】して、
敵8人と戦っていた。
ドズさんとルントウ上官は、
二人で多くの敵と戦っている。
俺は、「回復系」の能力者の元へ向かった。
【回復】の能力者side
先程から、刺されては回復し、刺されては回復し、を
繰り返している。
私の能力は【回復】であって、
傷は癒えるが、刺されるのは痛い。
小僧がずっとこれを繰り返すので、
頭がおかしくなりそうだ。
嗚呼、そうか。
私が今受けている苦痛は、
私のせいでみんなが味わった苦痛なのだ。
私のせいで、みんなは死ぬまで戦わされる。
私が死ぬことで、みんなが報われるのなら__
私が死のうとした直前、
小僧は攻撃を止めた。
小僧は、どす黒い声で言った。
小僧は、言い終わると同時に、
私の足を刺した。
小僧はどんどん私を刺す。
しかも、死ねないところを。
私は懐に隠してあったメスで、
自分の首を搔き切った。
おんりーside
罪から逃れたこいつを、俺は許せなかった。
しかし、急いで戦いに戻らないといけなかったので、
こいつを剣でバラバラに刻むのは、後回しにした。
戻ると、あれだけいた敵は、全滅していた。
しかし、立っている味方の姿も見えない。
敵味方関係なく全員が、地面に横たわっていた。
俺は、とりあえず近かったドズさんの方へ向かった。
ドズさんは、俺を見た瞬間、
眼球が飛び出そうなほどに目を見開き、言った。
その瞬間、俺の背中が熱くなった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。