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第2話

カルガモの親子
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2024/06/23 13:53 更新
本橋依央利
あれ?テラさん


いつも通りナポレオン商店街で買い物をしていた依央利はなに

かを見つめていたテラと出会う。



テラ
ん?あれ依央利くんじゃん
本橋依央利
立ち止まってどうかされたんですか?
テラ
いや、あれ
本橋依央利



テラが指差す先には恐らく引越し中のカルガモの親子がぞろぞ

ろと歩いていた



本橋依央利
うわ〜かわいいですねぇ
テラ
でしょ?テラくんの次に


こんな会話を尻目にカルガモの親子はどんどんと進んで行く。





そしてふと、この親子に既視感に似たようなものを覚える。




本橋依央利
……なんか、既視感ありません?その、なんというか……
テラ
分かる。なんかこれに似たような……あ


テラはやっと既視感の正体を捉えられたようで。


テラ
これ、天彦とふみやに似てんだ。ほら、ふみやいっつも天彦の後ろついて回ってるし。
本橋依央利
あー!確かにそうですね。ほら、この子ふみやさんにそっくりですよ



依央利が見つけたのは1羽の子ガモ。



その子ガモは親ガモの後ろにべったりくっ付いて離れない。し

かも時々親ガモにくっつき過ぎて怒られていた。



テラ
あ、怒られた。
本橋依央利
そういえばこの前この子みたいにふみやさんも天彦さんに怒られていましたね。



そう、それは1週間程前のことである。


天堂天彦
はい?それは聞いていなかったですね……
伊藤ふみや
ねー天彦……



その日はいつも通りふみやが天彦に話しかけるが仕事関係の電

話をしていてで天彦は口に人差し指を当て静かにする様にお願

いしていた。



伊藤ふみや
………………




最初はちゃんと天彦の言うことを聞いていたふみやだがなかな

か話の終わらない天彦に腹を立てちょっかいをかけ始める。




天堂天彦
その件は私がっ!?
伊藤ふみや
………………ふん



天彦の髪を弄ったり、脇腹を擽るふみやを見て依央利はいつ天

彦に怒られるのかとヒヤヒヤしていた。





そして、
天堂天彦
はい、それでは失礼します。



電話が切られる。天彦はいつも通り穏やかな笑みを浮かべたま

まだが目は笑っていない。




天堂天彦
ふみやさん、
伊藤ふみや
………………何
天堂天彦
私、ふみやさんと『仕事の邪魔はしない』と約束したはずなんですが
伊藤ふみや
しょうがないじゃん、今日休みだし。
天堂天彦
屁理屈を言うんじゃありません。天彦、今日は許しませんよ。
天堂天彦
これは仕事のお相手にも関わることですからね。
伊藤ふみや
………………好きにすればいいじゃん




いつもなら天彦が折れて終わるがその日はどちらもなかなか折

れずに1週間程ピリピリした状態が続いていた。




結局元気の無いふみやを見て天彦が折れたが、この1件から更

に天彦にくっ付く様になったふみやに手を焼いていた。



テラ
意外と可愛いところあんだよね〜、憎めないって言うか。
本橋依央利
ですねぇ、





いつの間にかカルガモの親子はいなくなっていたがカリスマハ

ウスにいるカルガモ親子の様子が気になって早く帰る事にし

た。


天堂天彦
ちょっとふみやさん、距離近くないですか?
伊藤ふみや
別に、本読んでるだけだし



家に帰ると2人で仲良く本を読む2人が目に入る。相変わらず天

彦の横にぴったりとくっ付く2人を見て依央利は日常が戻った

事に安堵しつつ今日の晩御飯のメニューを考えるのだった。



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