ピピッピピッピピッ
朝5時。ケアラーさんが来てくれる日だから全部任せればいいのに、お人好しな性格だからいつも通り、洗濯機を回してお風呂掃除をして朝食を作って、お母さんのお昼ご飯も作る。
お母さんはまだ寝ているみたいだったから置き手紙を残しておいた。
『お母さんへ
今日はケアラーさんが来てくれる日だから私は学校へ行ってくるね。リハビリ無理せず頑張って!
あなたの下の名前』
学校の準備をする。今日の時間割は…火曜日だから…
時間割 火曜日[数 社 保 英 音]
おー!まあまあ良い教科たち!!
荷物を準備し終えて時計を見るとまだ15分くらい時間がある。スマホを開くと
LINE
私たちは家が隣同士。だから昔は登下校もずっと一緒だった。今でもたまに一緒に行くことはあるけどそれは昔に比べたら全然…
気づいた時には眠っていて時刻は7時40分。やばいやばい!!!
急いで荷物を持って施錠して…
私がヤングケアラーなのは学校の先生たちしか知らない。だから…
学校に着き…
着いたと言っても私たちは隣同士の席。だから特になにも変わらないけど笑
私、亮平のことが好き。小さい頃からずっと片思いしている。頭はいいのにそういうのはすごく疎いからたぶん気づいてない。それに、もし私が付き合えたとしても私はヤングケアラー。亮平との時間も全然取れない…。だから結ばれないんだろうなって思う
家にいるより幸せ。楽しい。この空間が一生続かないかな〜なんて望んでも叶わないことを思っちゃう。
やっぱ亮平モテるな〜。優しいもん。でも…私が1番亮平のこと見てきたからだから私が1番亮平のこと知ってる…!何故か対抗心を燃やしてしまう私。ヤングケアラーの私と完璧な亮平が結ばれることなんて御伽話でもありえないのに…私なに考えてるんだろ笑
結ばれることのない人を気がつけばずっと好きになっていました…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。