第134話

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2,226
2024/03/09 14:00


相手は特級





以前戦った時、差は歴然だった





古来より羅刹は人を食らい、破壊と破滅を司る鬼神とされ恐れられてきた




だが、凶悪な煩悩を食い尽くす善神としても崇められてきた





そんな大昔からの人の呪いが集まって形になったのが目の前にいるものだ





今回、羅刹は必ず領域展開を使ってくる





その時が私にとっての本当の正念場だ




羅刹
考え事とは余裕じゃのう!!



攻撃を何とか受け流しながら反撃を試みる





あなた
そうだねえ…羅刹も、もっと本気出してよ
羅刹
…生意気な小娘だ



今はもう地下ではなく地上




地上に人間はほとんど居ない




羅刹の捕食対象となるものはもういない





羅刹
नष्ट कर देना।



地盤が崩れる




共に周りの建物も内側から爆発するように吹き飛んだ




あなた
っ、、足場が…
羅刹
体幹が足りんのじゃないか?笑



気づいたらもう、遅い







そこに"いる"から






羅刹
それに、お主は我が食らう対象がもう居ないと思うとる














羅刹
何故自分を勘定に入れておらんのじゃ?笑



羅刹は掴んだ私の腕を引き寄せ、その腕に歯を立て





あなた
あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ッッッッッ!!!








ちぎった







羅刹
ふむ、なかなか美味じゃのう。確か…お主は術式と個性とやらの抱き合わせらしいな



私の体内を流れる呪力は特殊だ




血液もまた同様に特殊




トガちゃんのように人の血液を摂ることでその人になれるという能力がなければ、毒だということに変わりは無い





あなた
個性ありの体に受肉することによって、無理やりだけど必然的に術式と個性の抱き合わせができる…
羅刹
ご名答。まさかとは思っておったが、この体に我が入ったことで血の要素が変わったようでの
羅刹
まあ通常術式と個性は交わることの無いものらしいからのう、個性は消えて術式だけが残っておるが



羅刹が言っていることから推測するに、恐らく呪力は何ら変化していないだろう




私のような特殊な呪力の保持者は感知する際、独特な甘い匂いがするらしい




それは稀にいる一般人の中でも個性があり、少し呪力を多く持っている人がそうだ




あなた
(羅刹からはそれは感じない)


今のところ術式も効く事が分かっている





あなた
(問題ナシ!!)
羅刹
お主、片腕をちぎられて遂に狂ったか?
あなた
いいや、その反対だよ
羅刹
…は?



あなた
術式反転『起死回生』
あなた
ご生憎様、私は片腕ちぎられたくらいで死にやしないよ



確信はできた




あとは"試す"だけ




あなた
むしろ、そのおかげで目も頭も冴えた
あなた
領域展開でもすれば?どうせできるんでしょ?









あなた
安心してよ。






あなた
ちゃんと真正面から受け止めてあげるから


羅刹
まるで狂戦士ベルゼルクじゃな



そう言って、不敵な笑みをこぼした





羅刹
いいじゃろう。お望み通りにしてやるとするか



羅刹
領域展開……『涅槃寂静ねはんじゃくじょう



展開直後









周りに広がった世界は思っていたよりも静かで
















真っ白な世界だった









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