第4話

届け、届け届け届け!!!
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2020/04/30 05:25
その他
その他
流血表現あります…
嫌な方は申し訳ありません…
この次で重い回は終わるはず…








ごめんね、こんな私とずっと一緒に居てくれて。

苦しくて嫌な所いっぱい見せたよね?

まだ歌、作っていたかったな。

あなたちゃんの歌声、ずっと近くで聞いてたかった。

死にたくないよ、怖いよ、あなたちゃんと一緒に居たいよ。

お願い神様、殺さないで。

嫌だ、怖い、助けて、死にたくないよ…









あなた

っ!! ──何?今の…?結奈ちゃん…??
夢、だった…??

頭が痛い。

吐き気がする。

冷や汗が止まらない。

呼吸もしにくい。
あなた

──ママ!!結奈ちゃんのとこ、行ってくる!!

ママ
ママ
え、え?あなた??
どうしたの、嫌な夢でも見たの!?
朝食を作っていたママも、私の様子がおかしいことに気づき、病院まで車を飛ばしてくれた。
看護師さん
他の患者さん、お願いしていい!?
結奈ちゃんの方行かないと!!絶対助けるって約束したんだから!!
看護師さん
勿論です!!薬足りますか!?
看護師さん
タオルたくさんお願い!!!
集中治療室に移動するわ!!!
ここが病院であること、最も重い病気を持つ人たちがいる病棟だということを思い知らされるそんな光景。

ママが急いで看護師さんに話を聞きに走っていく。
ママ
ママ
あ、あの!!
結奈ちゃんに何があったんですか!?
看護師さん
──お二人が来るほんの少し前、胸を苦しそうに押さえててそしたら血を吐いて倒れて…
視界が暗くなる。

耐えられない頭痛と吐き気。

今一番辛いのは結奈ちゃんなのに。

私がこんなのじゃだめなのに。

何も出来ない、代わってあげられない自分が悔しくて。

全身の力が抜けて、私はその場に倒れ込んだ。









ママ
ママ
──あなた!!!
大丈夫!?しんどくない!?
あなた

…ママ…私が、代わってあげたい…
結奈ちゃん…あんなに、いい子なのに…
なんで、結奈ちゃんなの…

看護師さん
あなたちゃん、大丈夫!?
もうすぐ薬が効くと思うから、ちょっと我慢してね…
看護師さん
──すみません、今いいですか?
ごにょごにょごにょ──
看護師さん
分かったわ、すぐ行く。
看護師さん
──結奈ちゃん、今日が修羅場になるかもしれません。お二人、特にあなたちゃんがそばに居た方が安心すると思います。どうか結奈ちゃんに話しかけてあげてください。
ああこれ、知ってる。

おじいちゃんが死んだあの日も、ペットのクロが死んだあの日も病院の先生はそう言ってた。

なんで私の好きな人は皆、私の前から居なくなっちゃうの。




ママ
ママ
結奈ちゃん、来たわよ。
先生たちが頑張ってくれて、すぐ良くなるからね。私もあなたもついてるわ。
ママはいつも通り優しく、微笑みながら話す。

でも結奈ちゃんに触れる手はすごく震えていて、今にも泣きそうな顔をしている。

私はどんなことを言えばいいんだろう。

私には何が出来るんだろう。
結奈
結奈
──ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...
ベッドに血が飛び散る。

看護師さんたち、お医者さんが急いで入ってくる。
結奈
結奈
死に、た、く、ない、よ…
涙を流しながら結奈ちゃんが呟く。

ママも看護師さんもお医者さんも悔しそうに顔を歪めていた。

私はもう、何が起きているのか分かっていなかった。

でもこれだけは伝えたい、言わなきゃダメだ。
あなた

死なない!!!結奈ちゃんは死なないよ!!!
夢、叶えるんだから!!一緒に!!大きな舞台で!!歌を歌うんだから!!

届け、届け届け届け!!!

私は大きく息を吸った。

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