第14話

失った日
109
2025/04/19 12:29 更新
弥海は一個上の先輩だった


高専で唯一真面目に丁寧に対応してくれたのを覚えてる
人数が少ない分、縦の繋がりも強かった

でも、上下関係は強い人たちが多かった

特に男の先輩なんかいつの時代の人間だよ、って感じの人もいた

その中で唯一、“後輩”として接することができたのが弥海だ

二人で当たる任務も多くて自然と仲は良くなっていった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
ねえあなたの下の名前
(なまえ)
あなた
何?弥海さん
タメだったけど、さん付けだった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
呼び捨てでいいよ
その日は、弥海が同級生を同時に失った日だった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
弥海って呼んでくれる人いなくなっちゃてさ〜
弥海にしては珍しくヘラヘラと笑っていた

心配をかけないようにしようとしている姿に逆に心配してしまう
私の代は一人で、弥海の上は男尊女卑が強かったから普通に話せるのは二人だけになった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
弥海でいいよ
たぶん弥海って呼ばないと弥海さんがどこかにいってしまうと思ったんだ
(なまえ)
あなた
弥海
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
……ありがと
弥海の代もやっぱりいい奴らとは言い難かったけど、弥海にとって
一緒に入学して
同じ授業を受けて
一緒に任務に行って
喜怒哀楽を分かち合って
時に喧嘩して

一緒に卒業して
一緒に大人になりたかった人たちなんだ
(なまえ)
あなた
私には、同級生はいない
(なまえ)
あなた
だから今の弥海の気持ちはわからない
(なまえ)
あなた
わかりたい、なんなら代わりたい。でも出来ないから
(なまえ)
あなた
なんか出来ることがあったら遠慮なく言ってね
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
私は、弱かったから助かった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
一人だけ高専に残ってたのは階級が足りなかったから、それで
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
みんな強くて、コレからも強い相手と闘える、呪術界の希望だったはずなんだよ
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
私が死ねばよかった
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
私一人だけ死んどけばよかった
(なまえ)
あなた
ふざけんな
(なまえ)
あなた
弥海さ、忘れてんじゃないよね?先輩らがなんて言ってたか
(なまえ)
あなた
弥海は、俺らが死んでも覚えててくれるから、かっこよく死ねる
(なまえ)
あなた
俺らはたぶん一杯一杯で覚えてられない、辛いし
でも弥海は絶対覚えてる、気がする。だって、弥海は1番心が強いから
(なまえ)
あなた
弥海が1番信頼して人たちが言った言葉だよ?弥海を信じて逝ったの。それを無碍にすんなよ。弥海の術式は応用すれば1番強くなれるんだから
小鳥遊弥海
小鳥遊弥海
………うん、ごめん
弥海は一人の先輩のことがたぶん好きだった


言われたことはないけど、見てたらわかる
特に何かしてるってわけでもないけど、ああ、他の人たちとは違うんだろうなって感じだった


その彼が言ったから

情報が入って駆けつけて、最後に聞いた言葉だから


きっと弥海の心にも響く



彼が、
彼が、















































実は呪詛師で、みんなを殺したのは彼の仕業だと、

そんなこと言えるわけがない

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