ちゅ、と軽快なリップ音が玄関に響く。
カンちゃんは口じゃなくておでこにキスしてきた。
するとカンちゃんはぶわぁって顔を真っ赤にした。
きゃーーーって乙女になってるカンちゃんを見てたらなんか私も恥ずかしくなってきた。
私自身こんなにテンパることは初めてでいつもならスムーズにできる料理が少しもたついてしまう。
あ、ミスった
そしてすごいのが、とカンちゃんに真っ二つに折れたまな板を見せる。
何がやねん…と怪訝そうにまな板をじっくり見つめるカンちゃん。
そう。
ちょうどど真ん中でカットしてしまったのだ。
まじの偶然。
最初は好き好き言われたらぜーんぶ照れてたけど最近はある程度受け流せるようになってきた。
一々照れたらカンちゃんの思う壺だもんねー
でもひたすら溺愛されるだけって刺激がなくない?
そう思って私、一回嫉妬作戦実行したことあるの。
天才くんに協力してもらってたんだけど、翌日天才くんが学校でお腹壊して。
カンちゃん爆笑してたから問い詰めたら
一部聞いてはいけないことがあった気がするけど一旦受け流す。
ってことがあったから、もうカンちゃんの全部を受け入れることにしたんですよね。
この人側から見るとすごいヤンキーっぽいよね今まで考えたことなかったけど
俗にいう悪人顔













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!